2020年5月の記事一覧
アフターコロナ「脱成長論」に思う
コロナを機に世の中が変わる、あるいは変えるべき、という話をあちこちで目にします。
「経済成長を追い求めて必要以上の生産、消費を拡大してきた結果、もはや地球が持ちこたえられないほどの環境破壊が進行してきた。しかし、コロナがそれを止めた。これは地球からのメッセージだ。」
「倹約傾向が強まり、人々の消費行動も変わる。安くて使い捨てのようなものは買わなくなり、本当に必要なものだけを買うようになる。」
「サピエンス全史（下）」に見る資本主義の歴史とこれから
近代以前の経済の前提となっている考えは「パイ（富の総量）は変わらない」というものだった。したがって、一人が多くとれば、誰かの取り分が減るわけで、裕福な人々は慈善事業に寄付するなどして己の悪行に対する贖罪の意を示さなければならなかった。
しかし、アダム・スミスが画期的な主張を発表する。科学技術の発展によって「パイは拡大する」という前提に立ち、自分の利益を増やすことが全体の富の増加と繁栄の基本である