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鉄槌
奈穂子
山陰公主のこの話では、「淫」一文字だけが、それっぽいけど、あとは普通だね。女性から迫るってどんな感じなのでしょうか。男だからよくわかりません。
それと、訓読みじゃなくて、日本語訳だよ。
僕も訓読みじゃなくて、僕なりに作ってみる。
平安時代の藤原明衡という人が書いた漢文。山陰公主の話よりも古いけど、使われている言葉は日本語に近い感じがする。どうしてだろう。日本語だからか。
鉄槌、字簡笠、袴下毛中人。其先出自鉄脛。身長七寸、大口尖頭。少時隠処袴下、長公主頻召不起。漸及長大、出仕朱門甚被寵幸。性甚敏活、夙夜吟翫、切磨無倦、為人勇悍。能破権勢之朱門。
論曰鉄子木強能剛、老而不死。屈而更長、精兵暁発、突騎夜忙。襲長公主、破少年娘。紫殿長閉、朱門自康。腐鼠搖動、鴻雁翶翔。
一剛一柔、体陰陽気候。或出或処、類君子云為。人倫大道之方、於斯備矣。
鉄槌 字は欄傘、袴の下の毛の中に住んでいる。
(下毛:大分県中津市あたりに掛けている)
その先端は、股の間から飛び出ていて、身長は七寸(21センチ)ぐらいで、頭の尖ったあたりに大口がある。
小さい時は袴の下でおとなしく隠れていて、お姫様が呼び出そうとしてもなかなか出てこない。
少しずつ成長して、朱色の門に仕えると大変可愛がられる。それはとても俊敏で活発な性格で、朝にも夜にも、飽きずに切磨して謳う。その勇敢な人となりで、権勢の朱門を気持ちよく破る。
鉄槌は飾らずに強い、剛くて能力がある。老いても死せず、ダランと垂れたらまた更に長くなる。暁には精兵を発射し、夜は忙しく騎のように突撃する。皇女を襲い、少年も娘も破る。鉄槌によって、立派な家は長い間閉じられ、朱門は自然とやすらぐ。腐った鼠が揺れ動き、水鳥が羽ばたいているような法悦をもたらす。
あるいは剛、あるいは柔、陰陽の気候を体現し、出たり、中に入ったり、それは君子の行いである。人としての倫理も、大きなあるべき道も、ここに備わっているのだ。
鉄槌に興味ある?
土曜か日曜に映画見に行かない?テアトル西新でやっているビスコンティの特集。土曜日までは山猫、日曜日だったらなにか別なのだった。
じ
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