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溶けるインタフェース


ふと、「理想のUIってなんだろう?」と思った。


そんなもの時と場合によって変わるだろう、ターゲットユーザーに合わせたコンセプトや達成したい目的によって千差万別、と思いながらも、普段UIをデザインする上で自分の中で一つの指標となるようなものを明確にしたいと思ったので、敢えて言葉にしてみることにしました。


超自然なUI

自分にとっての理想は、「存在を感じさせない、超自然なUI」だと思っています。カッコいいビジュアル、気持ちの良いモーションはもちろんですが、それ以上にユーザーの無意識の動作に溶け込むようなインタフェースが究極だと考えています。

「インタフェース」という言葉は、日本語では「界面」とも言います。
異なる種類のものを結びつける面、コンピュータにおいては複雑な演算処理の過程や結果を人間が理解できるような表現に翻訳し、何かしらの手段で提示してくれること。今日UIという分野が盛り上がっているのは、人間が処理できない膨大な情報をコンピュータが代わりに処理してくれるようになり、その結果のシステムやサービスを人間が理解でき、使えるようなものとして提供する必要が出てきているからです。

そこにUIが必要になるということは、必ず達成すべき目的があります。銀行のATMであれば「お金を引き出す・預ける」、旅行サービスであれば「プランを選ぶ・飛行機や新幹線を予約する」、Twitterであれば「つぶやきを閲覧する・投稿する」などなど。決してUIが主役ではなく、ユーザーに対していかに快適に、スムーズに目的を達成してもらうかが一番重要なのです。目的達成のために、黒子(かどうかはわからないが)として全力サポートすることがUIの役割だと考えています。
そのためには、目的達成までのプロセスにおけるユーザーの認知過程や感情、ニーズを徹底的に理解し、それらに合わせたフローやレイアウト、デザインを実装する必要があります。様々な要素が噛み合った結果、理想のUIが出来上がるのです。


それって、当たり前じゃん

と、思いがちなのですが、世の中のプロダクトやサービスは意外とこの視点が抜け落ちていることが多いと感じています。何故なら、ユーザーが快適に使えるかどうかというのは、実際の開発現場において非常に検証し辛い上に、その効果が目に見えにくいから。それよりも、やはりビジュアルとしての美しさや、レイアウトの一貫性等に目がいきがちです。いや、それらももちろん重要なんだけど。ただ、「カッコいいけど使い辛い…」と感じるUIが世の中に存在しているのも事実。これは決して他人事ではなく、自分も油断していると陥ってしまう(既に陥っているのかも)罠です。


じゃあ、どうすればいいのか。UIデザインにおいては、とにかくあらゆるモノゴトを丁寧に見ていくしかないと思っています。アプリの初期設定1つにしても、どういう順番で、どれだけの量の情報を提供すればいいのか。設定画面にしても、適当に配置するだけでなく、設定項目の順番、階層、項目名称。地味な部分も妥協せずに泥臭く頭を使っていくのが早道です。

ちなみに、最近見た中でとても良いなと思ったのは、Squareが公開していたオンライン決済の UI。ユーザーは番号を打ち込むだけで思った通りにサクサク決済を行うことができています。


そろそろ「画面」から卒業したい

とは言っても、やはり現状のGUIでは限界があるもの事実。そもそもの原因は画面が媒介になっているインタフェースが大半であることから来ていると思っています。より自然なインタフェースをデザインしていくために、早く画面から卒業する時代が来ることを期待しています。


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