見出し画像

精神科、はじめての問診(1)

スウェーデンにはVårdcentralen(ヴォードセントラーレン)という医療施設が地域に必ずいくつかあります。直訳するとケアセンターで、診療所と言ったところ。そもそも私は普段ほとんど医療機関を利用することがなく、数年に一度検診に呼び出されるか、つい最近一度目のワクチンのために利用したぐらいで、自ら予約して赴くというのは実はスウェーデンでは全く初めての経験でした。

インターネットのサイトを経由して近所にできたばかりのところを選び、簡単に状況を説明して送信。スウェーデンの公共機関というのは動きがとても遅いので、夏休み時期ということもあり、まあ予約は取れても二週間後とかそんなものかな、とのんびり構えていたら、その数時間後に返信が来て、翌日の朝に予約が取れましたとのこと。あまりの速さに拍子抜け。心の準備も話すことの整理も全くできていなかったので、返信画面を見ながらあたふた。しかしながら、最近は自分の状況を言葉に書き起こす訓練のようなことをしていたので、問診に行っても何も言えないんじゃないかという不安は随分軽減していました。

さて当日。まだ新しく建ったばかりのヴォードセントラーレンは綺麗で明るく開放的で、お天気も良かったことから割と落ち着いて受け付けを済ませ、Allmänspecialist(アルメンスペシャリスト)と呼ばれる一般専門家という方にまず話を聞いてもらうことに。担当は名前の感じから中東系移民のおじさんで、まだ不慣れな感じがするなと思っていると、やはり夏休みの臨時派遣の方でした。それでも真面目そうで丁寧に接してくださったので、そもそも日本語でも親しくない人との会話が不得意な私も焦らずしっかり話すことができました。

自分の性格や最近の状況、今まで薬やセラピーを利用したことがなくまず取り掛かり方が分からないことなど、できるだけ簡潔に正直に話しました。こういうことは気を遣ったり建前で話したりしたら何も意味がないから、自分の大変さをしっかり説明しないといけないよ!と友人たちに念を押されていたので、恥ずかしいとかどう思われるかとかいう感情を押し殺して。それでも、こういう言い方はあまり良くないのかもしれないけど、違う人種で同じ文化背景を持たない人に話すという点では、日本で治療するより楽なんじゃないかという気がしました。もちろん少々の言葉の壁はできてしまうけれど、同じ言語であったとしても形のない心のことを説明するのはそんなに簡単なことではないし…特にうつのこととなると、日本人ならそれぐらいの我慢は当たり前にするから、というような変な共通認識に流されそうだなと。日本で精神科にかかったことがないのではっきりとは言えないし、間違いは指摘していただけるとありがたいです。

問診のもう少し詳しい内容と最初の処方については(2)に続きます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?