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L'Oreficeria Contemporanea nell' Antico Convento

先月末におこなわれた職人フェアで知り合ったジュエリー作家、YokoTakiraiさんを訪ねました。

アルノ川のむこう、シエナ・ローマ方面への出入り口だったロマーナ門の外側にあるもと修道院が、職人や芸術家のための制作スペースとして市が貸している工房群となっています。ここにたきらいさんの工房があります。

こんな伝統的な場所で、たきらいさんの作られているのはとってもデザイン性のたかい現代的な作品。(ぜひサイトを参照してください、素敵ですよ~)

http://www.yokotakirai.com/collezioni.htm

たきらいさんは、ご主人ピエトロさんと共同で制作されています。デザインは二人で考え、作業はそれぞれが得意な部分を受け持って完成させていくのだそうです。

「なぜイタリア?ってよくきかれるんですよね。こういうデザインものはドイツが発達しているので、どうしてそっちにいかないのかって。」

アメリカの大学に在学中は、ドイツも選択肢に入っていたそうですが、ドイツの職人養成制度は大学に組み込まれていて、5年か6年の大学へまたいかなければいけない、とわかったとき、イタリアを視野に入れたそうです。

「イタリアはわりといい加減で、学校にきいても『1年でも、2年でも、半年でも、好きな期間すればいいんですよ』なんていわれて、、、」さすがイタリアだ!

「フィレンツェでは最初3年ほど学校で修行、その後の数年は別の学校で講師をしながら、自分の作品を作ってました。」

そして独立したあと、2002年からAGC(コンテンポラリージュエリー協会)の一員となって、ヨーロッパ中の見本市へ作品を送りだし、現在ではイタリア各地で25軒以上(イタリア以外のヨーロッパにもいくつか)のセレクトショップがたきらいさんの作品を扱っているそうです。すごーい!!

「一つの都市に2つのショップが限界ですね。なぜかというと、ほぼ一点ものの特色ある作品なので、ショップのかたにも自負があって、同じものをおいて頂くわけにはいかないんです。フェアやショップの作品をみた別のショップからのオファーはいただくんですが、お断りしなければいけないこともあって、、、」さらりとしていますが、嬉しい悲鳴じゃありませんか!実にうらやましい!!

お客様にはわりと建築家がおおいそうな。作品見ていると、なるほどなかんじ、します。

「材料はシルバーと鋼鉄が多いですね。ゴールドは仕事を始めたころから比べると4倍にも値上がりしていて、とても高価なものになってしまうので。」とこのような細い線的な作品は鋼鉄が使われています。

日本でたきらい作品を扱っているお店は?

「実はそこまで制作がおいつかなくて、、、2年ごとに代官山ヒルズで個展を開いてご覧に入れ、お求め頂いています。」お子さんの学校が夏休みにはいる7月、夏の日本で、展覧会、、、、ご成功を祈ります。

今月のトレントのデザインフェア、7月には日本で個展、9月はミラノのバイヤー向け見本市、10月バルセロナ、11月アムステルダム、、、ほぼ毎月のようにフェアがあり、お子さんの学校への送り迎えもあり、合間に制作。えらいなあ~。


「フィレンツェは、ジュエリー職人になるための技術の修行をするにはよいところだと思います。ただ、そのあと、仕事をしていくには厳しいところですね。まじめに続けてきたので、今があると思っています。」
含蓄、ありますね。

「これからこちらにいらっしゃるつもりのかたは、本当にイタリアで良いのか、よく考えてから決めてくださいね」
ジュエリーは特に、、、最近の不景気を考えると、全般的にも。

「いやなこと、だめなこといっぱいありすぎ」なイタリア(やっぱり!)ですが、工房拡大の計画もあるとか。
「もう一人、制作できる方と協業できないか、お話させて頂いています」

数々のフェア、日本での展覧会、、、制作のほかにパブリックリレーションも受け持って、頑張っているようには見せないけれど、とても頑張っていらっしゃるんだろうな~。

淡々とお話され、気負いをまったく感じさせないたきらいさん。作品にもそのすがすがしさが、現れています。これからも素敵な作品を、日本で、ヨーロッパで、世界で発表してくださいね!






応援してもいいな〜という方はサポートをよろしくお願いします。工房維持費にさせていただきます。作品やお仕事依頼ももちろん喜びます。仕事は主に人物動物肖像画、壁画制作修復ですがその他の事も相談ください。