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7月18日 栄冠も栄誉も名も求めない終活

7月18日ですね。

昨日の続きですが、森鴎外記念館で私は印象に残る展示に出会いました。

遺言書です。メモりました。
そう長くない文章なので、ここに載せておきます。


森林太郎
遺言書

余ハ少年ノ時ヨリ老死ニ至ルマデ
一切秘密無ク交際シタル友ハ
賀古鶴所君ナリコヽニ死ニ
臨ンテ賀古君ノ一筆ヲ煩ハス
死ハ一切ヲ打チ切ル重大事
件ナリ奈何ナル官権威力ト
        憲
雖此ニ反抗スル事ヲ得スト信ス
余ハ石見人森林太郎トシテ
死セント欲ス宮内省陸軍皆
縁故アレドモ生死別ルヽ瞬間
アラユル外形的取扱ヒヲ辞ス
森林太郎トシテ死セントス
墓ハ森林太郎墓ノ外一
字モホル可ラス書ハ中村不折ニ
依託シ宮内省陸軍ノ栄典
ハ絶対ニ取リヤメヲ請フ手続ハ
ソレゾレアルベシコレ唯一ノ友人ニ云
ヒ残スモノニシテ何人ノ容喙ヲモ許
サス 大正十一年七月六日
           森林太郎言 拇印

文語調にカナが混じる書き方なので、今の方には理解しづらいかもしれません。

何も隠すことはない人生。親友に全てを託す。仕事をしてきたが、死にあたっては、一切の公的な取り扱いは無用。他には栄典などの儀式は不要。個人として死ぬ。
そういう内容です。


私もそろそろ、人生をたたむ終活の準備をした方が良い年齢に差し掛かりました。
ただし、そもそも森鴎外のように潔く死ぬには、未練もなく、やり切った実感が必要でしょう。
そういう域まで、私はまだ達していないと思っています。


森鴎外がなくなったのは60歳の頃。私もその年齢まではあと9年しかありません。
この後、何を残すべきか。

死にあたって一切の栄典栄冠を固辞し、個人として死ぬまでには何をしなければならないのか。

とても印象に残ったので書いておきました。

ありがとうございます。 弊社としても皆様のお役に立てるよう、今後も活動を行っていこうと思います。