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9月27日 インボイス制への私的意見

9月27日ですね。

あと数日でインボイス制度が始まります。

弊社でも数ヶ月前に準備を終え、ほとんどのお客様のシステムもインボイス対応を済ませています。


ただし、今もまだインボイス制度に対する反対の声は多いようです。デモやSNSでもたまに見かけます。

では私はどうか、と言われると賛成の立場です。


インボイスとは一言で乱暴に言うと消費税の増税です。

もちろん、実際には増税ではなく、例えば弊社にとっては納めるべき額は変わりません。


では何が問題かと言うと、免税を受ける側にとって不都合な点があることです。

免税を受ける側。つまり、今までは消費税の納付を免除されていた事業者が居たことになります。

具体的には年の売り上げが一千万円以下の事業者です。


そうした業者は請求書の金額に消費税を計上して載せて、入金される額も消費税を含まていたにもかかわらず、その分を国に納める必要がありませんでした。

その免除される条件は、年の売り上げが一千万円以下の場合てす。


言うまでもなく、金額として受け取っていた消費税は、本来は国に納めるべきものです。それが免除されていました。これは雇われた側だと実感がないと思います。


ただし、インボイス制度が始まった後は、その免除が条件付きになります。

つまり、発注を行う側が課税事業者で免税事業者が引き続き免税を受ける場合、課税事業者側は税納付時の仕入控除が受けられなくなります。

それは課税事業者にとっては不利益になります。そのため、免税事業者と契約を見直すか、または、免税事業者に課税事業者になってもらうように求めます。

後者の場合、今まで売り上げが一千万円以下だからと免税せずに済んでいた事業者にも納税の義務が生じます。


これ、年の売り上げが一千万円に近ければ近いほど、ダメージがでかいです。

例えば900万の売り上げがあったとします。ここでは仕入れのことは一旦脇に置くとします。

この業者が課税事業者になった途端、約90万円の納付が必要になります。90万は大きい額です。

つまりこの選択を零細事業者に強いて、実際に納税せざるを得ない方向に持っていくのがインボイス制度なのです。だから冒頭に増税と書いたのです。


今回のインボイス制度は、国にとっては、今まで徴収できなかった消費税を徴収するための制度であることは明らかです。目的がそれにある以上、増税と乱暴に一言で括ってしまって良いと思います。

今後は電子帳簿保存法によってデータが全て残されて行きますから、徴収をきちんと行うための仕組みです。おそらく逃げられないでしょう。

私も年商が900万の時期があったので、そこからさらに一割も引かれることの辛さはわかります。文字通り、死活問題です。


では、私がなぜ賛成かというと、現場の実務上の問題です。

それは弊社ではなく、弊社のお客様にとってです。


今までは紙や電子データの請求書が混在し、とても面倒でした。これが、今回増税という形ではありますが、一本化されます。

そのためにツールやシステム改修が必要となるでしょう。そのシステム投資の負担が増加することも反対運動が起きている理由です。が、社会全体の無駄な作業を撲滅するためにはまずこうしたやり方で整えていくしかない、と考えます。

繰り返しますと、個人の心情としてはインボイスや制度には反対です。税金の納付は憂鬱ですし、年金問題なども公平な税負担と税金活用が行われているようにはとても思えません。

ですが、社会の生産性を上げるには、このような仕組みで変えていくしかない、というのが公的な私の意見です。

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Yoshikazu Nagai(長井 祥和)
ありがとうございます。 弊社としても皆様のお役に立てるよう、今後も活動を行っていこうと思います。