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SARU夢

今日はとても恐ろしい夢を見た。

映画(内容はほぼ忘れた。たぶん剣闘関係かと)が終わり、シアターから出るともう零時すぎて、そとは静まりかえっていた。俺はバイクに乗り帰路についたが、知っているはずの道からどうしても抜けなくて、いつの間に狭い路地に迷い込んだ。もうこれ以上方向感覚が宛にならないと思った俺はバイクを降りて人に尋ねると決めた(なぜかグーグルマップを見ようとしない上に路地に人が結構いる)。

「すいません、どうすれば大通りに出られますか?」

「大通り?それなら……ん?」

冬なのに透けるインナーと短パンしか身に着けていないおじさんの目つきが険しくなり、何があったかな?と思った途端、背中に異様を感じた。何かにしがみつかれ、痛いか痒いかのような奇妙な感覚だ。

「サルだ!」おじさんが俺を指差して叫んだ。えっ、サル??モンキー🐒のこと?背中の物体が「キャッ、キャッ、キャッ!」と鳴った。どうやら俺の背中がサルにしがみつかれているらしい。

「追い払ってやる!じっとしてろよ……!」おじさんはどこから木の棒を取り出し、遠慮なく俺の背に降った。

「キャッキャー!」しかしサルの動きは恐ろしく素早く、避けられた棒は俺に当たった。「いってぇぇぇ!」と俺は叫んだ。夢だからそこまで痛くはなかったが、殴られたという事実に対して精神に来るものがある。

「避けられた!」「ずる賢い奴!」「囲んで叩け!」

更に二人のおじさんが出てきた。手に棒を握っている。

「いや、ま、待ってくれっ!」

未だに背中の痛かゆい感じは続いている。俺は上腰を左右に激しく回してサルを振りほどこうとしたが、一切離れる気がしない。嫌な予感がした俺は手で頭を庇った。

「動くなって!」スパン! 「あぅ」「動けりゃ狙いが……」スパン! 「ぐっほ」「外れるでしょうー!?」スパン! 「くわッ!」

囲んで棒で叩かれている、俺が。

ふざけんなよ。なんで俺はこんな仕打ちを受けなければならない。サルぐらい引き離せばいいだろ?なんですぐ叩こうとするんだ?サルのせいで一年の収入がだめになった農家か?この都会のど真ん中で?

頭にきた、目にもの見せて……俺が決意して反撃する前に、一人のおじさんが喋りだした。

「すばしこい奴!こうなりゃあこうするしかねえ!」CROAK!

CROAK?

顔を上げると、おじさんはゲームで見慣れたツインバレルショットガンで俺を狙い定めている。

「恨むなよ、兄ちゃん!」「待っ」「ギャアアアアーッ!」

スドン!

そして俺は見慣れた天井を見つめていた。あれはすぐ夢だとすぐにわかったが、妙なことに、背中の痛かゆい感覚はまた残っている。

変な夢だったな、いいネタになりそうだ。明日はnoteにでも書いとこうと思いながら、俺は横向けになって再び目を閉じた。

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