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炎天下の聖戦旅 5日目
おはようごSAGAいます。ホテル部屋のからの風景をどうぞ。
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明け方に雨が降っていたが、朝食を済んで出かける際はほとんど止んでいた。空気の湿度が増し、より蒸し暑くなるそうだが、今日は佐賀に居られる最後の一日だ。有意義に過ごそう。
実は佐賀をより堪能するため、事前に外国運転免許を取ってきたが、やはり右運転に馴染んでないし少し怖いので、電車で唐津まで移動。
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到着。ここが文明の果ての更に果て。駅前に装甲車のシャフトに獅子舞を載せたようなオブジェがある。三国時代の虎戦車を彷彿させるーーと思ってみただけだった。虎戦車は実際どんな形をしているか俺はわからない。
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午前だからか、店はコンビニ以外ほとんど開いてない。街を散策したら公衆トイレの前で羽がしわしわのセミを見かけた。体色から見るに羽化したて部が見えないし、なにかがあったな。これじゃまともに飛べそうにないだろう。元から儚い命が更に儚くなった。諸行無常。
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なんて穏やかな水面か。海天一色までは行かないが、いい景色だ。
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水路の沿いに随所にカニの姿が見られる。
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カエルもいる。
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草むらのなかにもカニ、そして大量のフナムシがいてぞっとした。虫耐性が強い俺でもフナムシは駄目寄りなのでさっさと水路から退散した。港町とはいえ生き物が豊すぎる。これほど街中にカニが歩いてる街はこれまでみたことがない。
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佐賀城が目の先に。岬に鎮座するお城はよく映える。昨日はタイラダに「唐津城だけは絶対行っといたほうがいい」と強く勧められたのでそっちに向かっている。
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城に上がるには有料エレベーターが使える。俺はまた若いし足に自信があるので歩いて上がるぜ。
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階段は段差が高くなく登りやすかった。しかし植え込みで風が阻まれてよりいっそう蒸し暑く感じる。参るぜ。
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石垣は外見こそ古めかしいが中はしっかり鉄柱を埋め込んで強度を増している、と手前の掲示板が書いてあった。
城の内部の展示はなかなか見応えがあったが撮影禁止のなのできみが実際に来て自分の目で確かめるほかない。ちなみにこの日は落雷のせいで城内のエアコンが一部が壊れて暑かった。高いところの建物はこういうリスクもあるんだね。
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天守閣は撮影OK。高所から見渡す玄界灘は開放的な気持をさせる絶景だった。昔の唐津城を統治する代々のウォーロードたちもこの光景を見て開放的な気持になっていただろうか。そして高所だけあって風通しが良くて涼しい。もし俺がウォーロードならここでサンラウンジャーに寝そべながらビールを飲んでのんびりと午後を過ごしたい。
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けど俺はウォーロードではないので城の外にある休憩所でコーヒーブレイクだ。空間が広く、檜の香りがしてとても落ち着く。そしてエアコンも普通に作動している。
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赫赫たるメンツの中にしれっと混じっている唐ワンくん。
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モニターに虹の松原のPR動画が無限リピート催眠を仕掛けてくる。はい......アクズメさん、虹の松原に行きます......
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ここが虹の松原。日本三大松原が一つ、近隣住民も散歩路線としてよく利用しているようだ。風の強い日は枝が落ちて人や車にぶつかる危険があるので通行禁止になることもあるそうだ。
なんとこの中にからつバーガーの売店がある。昼食はバーガーを食べながら午後のスケジュールについて検討しようぜ。と言いたいところだが、俺は今とても居心地が悪い状態に陥っている。駅から唐津城まで歩いて、空調が万全でない城を登って、城から松原に......Tシャツが完全に濡れたし、バックバッグも汗がかなり浸透している。そして時刻は正午になって気温がピークに近づきつつある。つらい。もう外を一歩も歩きたくないよ。
苦しみながら旅をしたくない。俺はここで引き返るぜ。笑いたければ笑うといい。
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暑すぎて蜂も墜落して地面で焼かれ死ぬ。マッポー近し。
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唐津で何も食べなかったのも勿体無いので駅でイカ焼売を購入。なんか名物らしい。外見がウイルスっぽいけど味は至って焼売だった。後に佐賀駅でも売られていることを知った。
ホテルに帰還を果たし。清潔な服に着替えて人権を取り戻した。遅めのランチを食べに出かける。あそこにしようか。
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殺戮信仰の襲来
昨晩タイラダと別れた後、相互フォローのSlaughtercultさん、略してスローターさんからdmが届いた。「明日はお前を殺しに行く。首を洗って待ってろ」という趣旨だった。疲弊し切った俺が塩返事して就寝したせいでさらに彼を刺激したか、なんと今晩に佐賀に着くそうだ。
俺だってただではやられない。数日ぶりにSwitchを起動してホテルの部屋でフィットボクシングを行った。休憩をしっかり取り、最後はスシを食べて血中カラテを高めた。
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準備は整った。あとは座禅して時が来るまで待つだけ。20時、予想より早くスマホが鳴った。
ーー今着いた。駅前に来い。惨殺してやる。
良いだろう。返り討ちにしてやる。俺は部屋を出て、エレベーターを呼んだ。そしてドアが開くと、中にアサシンローブを着た男がいた。こいつがスローターであるとすぐに分かった。
まさか同じホテルと泊まってるとは。俺は平静を装い、エレベーターに入った。ドアが閉まり、エレベーターが下へ参る。
「もしかしてスローターさんか?」
俺は先に沈黙を破った。アサシン振り返った。
「ほう、お前がアクズメさんだな?スローターです。それではーー」
凄まじい殺気が瞬時に狭いエレベーターを充満した。スローターはローブの中に手を突っ込み、2本のカランビットナイフを取り出す!
「シねぇぇぇぇーーッ!!!」
「しゃあ!!」
スローターの殺戮神より授かりし49の殺人技 VS. 神を殺す俺の神拳、エピック級な戦いであった。攻撃がぶつかり合い、その際に生じた爆発エネルギーがバタフライエフェクトにより宇宙の遥か彼方へ届き、とある惑星が爆発四散した。
「ふん、引き分けか」
「そのようだ」
エレベーターが一階に着いた際は戦いがすでに終わった。互いの消耗が激しく、これ以上戦っても無辜な人々を巻き込むだけなので引き分けという形で了承した。
「では飯に行くぞ。昼から何も食べていない。あと酒もだ」
「いいだろう」
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「日本酒の辛口はよくわからん。ここまで辛口と称される酒をいくつ飲んできたが、どれも甘い味しか感じない」
「ならば黒菱という酒を飲んでみるといい。辛口をよりわかるようになるはずだ」
「そうか、探してみよう」
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調子に乗った酒飲みはやめ時を知らない。居酒屋が閉店時間になって追い出された後も我々はコンビニで酒を購入しホテルのロビーで日付けが変わるまで飲み続けた。俺はレモンサワー500mlと偽ビール500ml、スローターは角を炭酸で割って飲んでいた。どうやって部屋に戻ってベッドの着いたか覚えていなかった。
(6日目に続く)
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