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凶眼の拳 ー異獄ー


BIBIBIBIBIBIBIBIBIBIBIBIBIBIBI
BLAME!DOOOM!

「ギャーッハハハハー!!!」

 弾丸速度で繰り出した拳が笑顔の首にある腫傷に命中し、破壊した。性感帯を突かれた笑い顔は気持ちよく絶頂し、全身の輪郭が崩れて血液に還って、僕の体に吸い込まれていく。YAMMY YAMMY BLOOD。養分である血液を全身で受けて、僕もまた気持ちが良くなり身震いした。

「ゴォホホホホゥ」

 余韻に浸る暇もなく、次の笑顔が襲ってきた。サングラスを押し上げて、相手の姿を認識する。

「チッ」

 厄介のが来た。10m先に「ウォン、ウォン」と声立てながら浮遊している、マッチョ男の下半身に何らかの機械をくっつけた奇怪なホバー形笑顔、通称“バックススマイル”。前の同盟はこいつとの交戦記録がある。正面の装甲あらゆる攻撃を弾くほど堅牢のため、その逞しい両腕に連続射撃を見舞し180°回転させて背中の腫傷に一発きめるか、因果律無視の特殊貫通弾でぶち抜く。それがこいつの攻略方法だ。拳がメインウェポンの僕と相性は最悪。

 だが他の奴に替わるつもりはない、まだ暴れたりないんだ。相性は悪いが、対処手段が無いわけではない。"薄い血"三本、握りつぶす。それが力を行使する代償だ。

「来い」

 翳した手の先、笑顔の背後にキカザルが突如に虚無から現れた。整った黒いショートヘア、琥珀色の目、体にピッタリ締まったレザースーツ、両手両足の戦闘用義肢を含めて身長が200cm超えた、かつて桐旗呉美という名前があった女、下僕、大事な人形、かけがえのない僕の半身だ。

 キカザルの目で笑顔を見据える。敵はこっちに気づかず涼ニの方へ向かっている。馬鹿め、背中ががら空きだとはてめえのことだよ。展開したの右義手で大きいなボウイナイフを作り、笑顔の腫傷を突き刺した。

「グゥヴォホホホホ!!!」

 背中の性感帯を突かれたホバー野郎は野太い笑い声をあげて血液になった。敵が消えた今、もはや二人の間に阻む者がいない。両者血を浴びながら互いに近づき、微笑みかけた。着た時と同じ、キカザルが虚無に消えた。薄い血を三本消費しても、彼女が現実に居られる時間がごく僅かだ。でもそれでいい。愛した女の体とは言え、中身は自分自身だ。僕は自分を見て自分に発情する特殊性癖がない。以前首の骨を折って(ト)った奴と違うんだ。

 サングラスの掛け直し、進み出る。

 僕の名は涼二・スミス、七つの人格を持つ殺し屋「Killer7」の一人だ。他の連中と違って飛び道具を使わず、天性の格闘センスと、若い頃獲得した「先視(さきみ)」で戦っている。視覚を抑えるため夜でもサングラスは外さない、僕のトレードマークさ。近接攻撃キャラなので慣れていないうちは(ト)られることが多いキャラだったが、一方一撃必(ト)の凶拳とキカザルによるトリッキーな動きから奥深く真の男が使うキャラとも言われている。まあどっちでもいいが。

 銃が使いたいのならほかのキャラでも使え、以上だ。

(終)

この作品はバール氏の『凶眼の拳 -少年、獄底にて世界を殺伐す-』と須田剛一氏によるゲームキューブ唯一のZ指定作『Killer7』のコラボファン小説です。

あとがき

「ワッダヘウ……視覚が弄られ常に歪んだ世界を見る主人公?日米関係の緊張?色鮮やかで内臓の質感を帯びた怪物?広島?笑う?微笑む?暴力!理不尽!暴力!ワオ!ワオオオオー!!!ギャーッハハハハー!!!」

 あまりKiller7と似た部分が多すぎるため、妄想が膨らみ頭に腫傷ができちゃうところで凶眼の拳の作者であるバールさんに連絡を取った。

「僕に海坂くんと、Killer7のコラボ小説を書かせてください!もし出来が悪かったらあとで僕を(ト)って構いませんから!」

 真の男であるバールさんは快く許諾してくれた。出口を得た妄想は勢いよく噴出され、凶眼の拳とKiller7、両方ある程度知らないと訳が分からない小説が出来上がってしまった。ここまで読めて、そしてスキを押そうとしている君、気が合いそうだね、僕が日本に行くときに一杯どうだい?

 そして書いているうちに何度も凶眼の拳を読み直し、バールさんの文章は本当に神かかっていると再認識した。一体なにを吸ったらあんなストーリーができるだろう?

 本来はダンの助けを得て、地下施設を出て廃墟かした都市を目にし、業者(ガルシアン)に「日本政府は合衆国に対抗するため、笑顔を生み出す男、クン・ランと手を組んだ。そしてこの有様だ」と告げられ、「果たして海坂と人形ちゃんは無事帰宅し、絵を描けるのか?!GO!海坂!Going home!」と不確定性を残して終わるつもりだったが、途中で、「海坂強いし異視と千里眼は似ているので同盟にはいれるじゃね?」なので海坂が同盟の一人になりカッコ良く笑顔を戦うifルードにした。いや~大満足。これでバールさんがバールを持って僕を(ト)りに来ることにはならないだろう。でも念のためドアと窓の側にトラバサミとセントリーガンを設置しておくね。

 それではおやすみなさい。

 それと笑顔を忘れないで。

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