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かわいい我らが子孫

『パワワワン!』足二本を無くした三脚自律兵器は銃弾を吐き出しながら倒れた。すかさず矢を二発撃ち込むと、機体からオイルが噴き出し、動かなくなった。

 矢をつかえながら近づき、機械が完全に死んだと確認し、一息ついて弓を下ろした。次の自律兵器が来るまであと二時間。僕は機械が守っていた遺産に進み、MALEと神代文字で書いた入口を潜った。これぐらい辞典がなくても解る。

「わっ」目の前に映る光景に、僕は思わずに驚嘆した。整然としたタイルの床と壁、黄色の淡い照明、軽快な音楽。生存ではなく、娯楽のための空間だ。僕は先祖の設計に感服した。

 等間隔設けられたドアを開けると、大きな白い盃があった。ベンキ”と呼ばれた器具だ。僕はその横に何らかの装置の上にPUSHと書いたボタンを見つけ、押した。

 ウィーン、と短い棒が伸ばし、水が噴き出た。僕は迷わず棒にしゃぶりついた。

「うんめぇーッ!昔の人間はこんな旨い水を飲んでたのか!」

【続く】

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