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【暗黒剣闘日記】おまえはチャンピオンになれない

WARNING、暴言があります

やあ、剣闘士トレーナーのアクズメだ。おれにとって剣闘とは自分との闘いであり、誰かと分かち合って甘苦を共にするものではない。だが言わずにはいられないときだってある。今がその時だ。

今がその時だ。

ありがとう竜馬。それでは始めよう。今日の午後、ジムでハードな筋トレを終えたおれは近くにある女トロールがいる店に向かった。この店は開店時間がラフで、店員に気持ちによって早く閉店することもなる。一方、化け物じみた剣闘士が出没していることでレベルが高い。特にあのいつもブルーパーカーを着た全パーフェクト判定でLv7以上のタイムボーナスを一秒で決める少年……彼のことはいずれ詳しく話そう。

今日は人がそう多くない、アイカツ筐体の前では若い男が一人、その隣に幼い少女がデモ画面に向かってボタンを叩いている。空気プレイってやつだ。

「すまないねお嬢さん。おじさんに剣闘させてもらえるかな?」

おれは極めて友好的な笑顔で筋トレでバンプアップした肉体ががもたらした威圧感を和らげて少女に尋ねた。少女言葉を発せず、こっちに向かって頷き台の前から退いた。

「ありがとうね」

少女に礼をし、おれは台の前に座ってコインを入れた。ICカードをロードしている間に隣のプレイヤーに目を覗いた。太っている男だ、年齢は大学生ぐらいか。顔はあまりイケメンとはいえない。動きは……なんというか、矢印が無くても無意味に、しかも結構高い位置から指を落としてボタンを叩いてる。Freakっぽい。リズムゲーの腕前は普通と言ったところか。

しまった、また人を外見と言動で判断する癖が出た。ローマに居たらストラウベリーにぶたれるところだった。反省せよ!おのれのイクサに集中すべし!しかし五秒後、おれの冷静は粉々に打ち砕かれた。

隣の男はかばんを探り、数枚の四角形の紙片を取り出した。素朴な白い紙片の縁にバーコードが刻まれている。彼はそれをスキャナーに当てた。

「すごい!ラブミーティアのカードね!」

隣の画面にアイドルはラブミーティアの脚部装備を着けた。

WHAT THE FUCK?

顔に出していないがおれはかなり動揺した。これはもしかして偽カードってやつ?まあ……まあいいでしょう。個人的に楽しむ範囲なら問題ない……はず。極力に気持ちを抑えておれは6cm上の景色を奏で、問題なくFEVERを出せた。上達したものだなおれも。そいえば隣はどうした、偽カードを使って楽しんでるか?と思い横に目を向けると、信じられない光景を目にした。

キモオタ(もはや彼に払う敬意がないためキモオタと呼ぶ)はカギを持って、筐体のカギ穴にねじ込んでハッチを開け、排出カードの束を取り出して物色し、一枚を取りってカードの束を戻した。

WHAT THE FUCK?

誰がどう見ても不正だ、しかし側は止めに来ない。もしかしてあれか?癒着とか贔屓とか賄賂とか、それともおれだけしらない隠しルールでもあるのか?おれの中で剣闘の神聖性を穢された怒りが煮えたぎっている。もう耐えられん。

「すごいね、こんな裏技があるんだ?そのカギはカギ屋で作ってもらったのか?」

おれは極めて友好的な笑顔で筋トレでバンプアップした肉体ががもたらした威圧感を和らげて尋ねた。キモオタは急にマッチョに話しかけられてびっくりした様子で、一秒間目を泳がせてから口を開けた。

「……ちがう」声がくそ小せえな!それでも男かよキモオタ!

「へーそうなんだ、じゃあどこで手に入れたんたい?」

「……」

今度はおれの問いを無視してスマホと取り出して見るふりをした。ああそうくるかよ、罪の意識があるみてえだな。不正してるって自覚あんだなあ!ええ!?

おれは完全に気を損なってカードを片付けて店を出た。日を改めてまた来よう、来てこのことについて女トロールに問い詰めよう。女トロールはアメリカドラマに出たコンビニ店員みたいに礼儀知らずの女で、彼女に言葉を伝えることがとても困難だが、それでもおれは聞きたい、店側のいいわけを。場合によってもう荷度とあの店に行かない可能性もある。

店を爆破するかしれない。

キモオタ、てめえは偽カードを使ってアピールポイントを高く叩き上げてランキング一位を取れたかもしれないが、てめえはコロッセオに立って歓声を受ける資格はない。

血と砂にまみれて死ね。

今日使ったコーデ:

女トロールが出る回はこちらです:

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