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DEJA VU~この場所に来たことある~ 初めての日本ドライブ

群馬は車社会。車がないと色んなところに行けなくはないが、相当時間かかってしまうし寄り道もしにくい。なので今回は奮発してカーをレンタルして日本のドライブを挑戦する。

業者は口コミでORIXを選択。店舗で免許とパスポートを提出し、会計を済ませてサインすると契約完了。スタッフのあとについて駐車場で車をチェックする。今回予約したのは軽自動車というタイプの四角いやつ。軽自動車は小さくて狭そうというイメージを抱いていたが、実際車内のスペースは広くてけっこう快適。一人しか乗らないからあまり関係ないか。

「日本で運転したことがありますか?」
「いやぁ、それはないですよねー」
「へっ、大丈夫ですか?」
「まあ、何事も初回がありますので、頑張たいと思います」
「そ、そうですね……頑張ってください。もし問題があればいつでもご連絡をください」
「はい、わかりました」
「お気をつけてください」

スタッフが少々不安を覚えたようだ。ふふっ、実は俺も右ハンドル初体験でビビっている。安全運転に心かけてやっていこうや。Googleマップで目的地を設置、ユーロビートを流して出発ーーいや、音楽はやめておこう。運転に全集中したい。

エンジンをかけて、ソフトレバーをDに入れて、緩速前進。うおっ、自国で運転する感覚が全然違う。ハンドルと車線が入れ替るだけでここまで心細くなるとは。駐車場の出口が見えてきた、慎重に……

カゴッ

オーマイアマテラス……左サイドミラーがケードにぶつかってしまったのではないか!また駐車場も出てないのにやらかしている!

ま、まあ、時速が5kmも満たなかったし大した痕が残らないだろう、と祈りつつ駐車場を出て公道に入った(その場で痕を確認しなかったのはすぐ後ろに他の車が迫っていたからだ)。

平日午前の高崎は交通が混んでいなくて助かった。慎重に慎重を重ねてハンドルをしっかり握り込み、法定速度を守って道を進む。長年にわたって左ハンドルなので、なんらかの力の作用によって車が車道の左側に偏ってしまう。ずっとサイドミラーを見てセンターラインとの距離を意識しながら走っていた。そして今日は雨が降っている。右ハンドルだとウィンカーとワイパーのレバー左右逆転なので度々間違えてウィンカー切りたいのにワイパーを起動したりしてけっこう焦った。日本のゲーム実況者がGTAをプレイする際の苦労が理解できた気がする。

梨農園だらけのカントリーロードを突破し、山を登り始める。進むにつれて霧が濃くなってさらに緊張が高まる。ずっと猫背の姿勢でハンドルに握っていた。

しばらくして榛名湖に到着。

1時間も満たないドライブなのに、まるでジムで2時間もワークしたような疲れ具合だった。眠たいけど苦労して来たし、せめて散歩しておこう。けれどまずは先ほどぶつかったところのチェックだ。うむ、左サイドミラーのウィンカーカバーに少々ペンキが移っているような。これぐらいワックスで磨くとすぐも度に戻るだろう。たぶん。まあ返済時の楽しみだ。さて歩いていこう。

ディック・ロック
遠くでも分かる立派なサイズの外来生物
また散っていないサクラ。サクラだよね?
朦朧的な

天気が悪いせいか観光客が少なく、スワンボートの桟橋に釣り人がいるぐらいだった。

ステルス榛名富士
林間学校などのイベントで使われるコテージ

あとは近くの大学がマラソンをやっていて以外と盛り上がっていた。雨天なのに熱いね。霧に包まれる榛名湖を見ながらランチするのも悪くないが、また空腹感がないためまたの機会にしよう。今度こそ天気のいい日に榛名富士を仰ぎたいものだ。

さてこれから草津温泉に向かうつもりだったが、グーグルマップが提供するルートを吟味した結果、比較的に近いもうひとつの温泉地、伊香保に向かうと決定した。ここれから草津遠いもんな……無事でたどり着ける自信がないな……

こんな感じのルート。またもや険しい道になりそうだ。がんばろ。しかしまるで見た目が安易な道を選んだ俺に山の神が罰を与えるかのように、信じられないほどヘアピンカーブの数々が俺を待ち受けていた。

左に急転、さらに右に急転。運転しているのに車酔いしそうだ!右ハンドル初心者にはきつすぎるぜ。しかし不思議なものだ。なぜかこの道は初めてじゃない気がする。昔は似た場所で走ったことがある……?バカな、群馬なんて昨日来たばかりだぜ。しかしなんか引っかかるよなぁ……はっ

こつぜん思い出した。もしやここは、「秋名」なんじゃないか?イニDは群馬が舞台。主人公の藤原拓海は秋名山で名を馳せる走り屋。秋名に対して……榛名……?えっ、そういうことだったのかよっ!?

いえね、イニDは原作を読んでなくてアニメはテレビの再放送で途切れ途切れで観ていたぐらいで、アーケードゲームは数回プレイしたことあるぐらいで全然詳しくないけど(でもデイブ・ロジャーズの歌が好きなのでいつも通勤、運転、筋トレ中に聞いていた)、秋名というコースは意地悪ほどの数のヘアピンカーブが配置されて印象深かった。それはまさかのここか?

後でホームページに照合したけどやはりそういうことだった。いやぁ感慨深いね。俺は今あの藤原と同じコースを走っているなんてよ、クソ遅いけどよ。ゲームでよくここで交通事故級のドリフトをかましたもんだぜ。アーケードゲームが最新バージョンで稼働していることに驚いた。あと何年戦うつもりだ藤原?

気が散るので音楽は流さないけどせめて頭のなかで再生しよう。

秋名を突破して伊香保温泉に到着。ホラゲー実況動画サムネみたいな看板が出迎えてくれた。

夜に見たら失禁する自信がある

榛名湖と違って来客が多くて結構にぎわっている。修学旅行でオーバーサイズの制服をダサく着こなす小柄の男子中学生を見て昔の自分を思い出した。

さすがが地元、早速イニDのマンホールを発見。俺は走り切ったぜ藤原!

なかなかいい文章を書けたな、力道山を殺さなかった人。

ゴッド・オブ・伊香保を奉るシュライン。五百円玉をドネートして帰り道の交通安全願った

イニDマンホール2。目を閉じてリラックスしている藤原に対し憩っているものの危険な仕方で置かれたキーが気になって振り返らずにはいられない啓介がおもしろすぎる。

日本三大うどん(諸説ある)がひとつ、水沢うどん。昨日A氏が熱烈に勧めたやつ。めんつゆだけでなくごまだれも付いている。麺は平べったくオーソドックスな正方形麺よりたれが付着しやすい印象。コシはもちろんいいけど、ほかのうどん専門店と比べて何が違うか?と言われたら正直よくわからない。石段を模った食器は洗うのに大変そう。

たまに炎上するやつ。

温泉街に来たし浸からないと勿体無い。石段の入り口辺りの温泉宿に入った。

料金はこのあたりでは安いほうけれど入浴できる時間はごく僅か。グッドタイミングだ。

宿の入り口に飼育されているヘラクレス。ゼリーを熱心に食べていた。

何気にクラシックな温泉宿は初めて入った気がする。薬草湯と露天風呂、サウナに壺式の水風呂すべてから伊香保の山景色が見れる。今日は山に雲霧がかかってより一層幽玄的。浴場内は当然撮影機器持ち込みなのでお見せできなくて残念だ。ぜひご自分で行って確かめてくれ。温泉水だけあって普段よく使うジムの浴場より良く染みる気がする。欠点があるとしたらサウナは温度が少しぬるいぐらいか。でも2回目からは調整が入ったらしくアチチになった。もう文句ないよ。皆も伊香保いけ。

伊香保を堪能したし、そろそろ高崎へ戻ろう。ついでに前から気になってチア蒙古タンメン中本で北極ラーメンを食べた。

ORIXに車を返す際はサイドミラーがぶつかったところは大した事なくてペナルティがとくになかったぜ。助かった。



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