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やはり旅一人に限る【DAY5】

【尊死(4)DAY】

朝十時、おれは一人でJRに乗っていた。

『三日も付き合ってくれてお疲れさん。私は大丈夫だから今日は自分で楽しんでね』

親にそんなこと言われて本当にひとりで出かける息子がここにいる。

◆🐟◆

品川。

これまで何度も通ったが降りることがなかった。今日は明確の目的をもって、ホームに降り立った。ここにはGYGという超旨いブリトーを売っている店がある。今日はそれを賞味してきた。が、今は午前10時、開店はまだ早いし、朝食はまた胃の中に残っている感じだ。おれは高輪口を出て、水族館に向かった。

日本に来た際は必ず水族館をスゲジュールに入れる。数年まえに行った押上の水族館は本当に出来がよくていまだに記憶に残っている。マクセルアクアパーク品川は洗練され水族館、テックとエンターテインメントの融合とガイドブックに書いてあるが、どれほどのものかお手並み拝見といこうじゃないか。

なんらかのショッピングモールを通って、上げ坂の登ると入口だ。チケットをスキャンし、入場だ。なぜかパイレーツシップがある。先に進むと、おれは啞然した。

廊下の両側に並ぶ2フィートの水槽、中に飼っているのはペットショップでよく見られる淡水や海水の熱帯魚ばかりだ。しかも水槽の壁に藻が付いていて、とてもきれいとは言難い。こどもたちが触ると魚の3Dモデルが出る液晶パネルで盛り上がっている。正直見所は余りない。せめて水槽をきれいにしてほしいところか。

次のエリアは暗い部屋で、クラゲが入った円筒状の水槽が数個並んでいる。水槽周囲に設けられているLEDライトが一定時間に色を変えて、幻想的な雰囲気を醸し出す……のつもりか?悪いがおれはジェリーフィッシュに大した興味を持っていない。一階の展示はこれだけのようだ。二階に上がると、水族館のメイン収入源であるイルカショーやペンギン、アザラシ、カワウソのエリア。なるほど一階はしょぼかったが二階がなかなか……おい、何だあれは。


泳いでいるイール

イールはおれを睨んでいる

イール・クロス!

体を砂の中に埋まった群生型イール

縞々のイール

ここはイール共の巣窟だった。

2日前にイール真実に触れたおれを狙っているとしか思えない。

マクセルアクアパーク品川、一階しょぼいが二階はなかなか見どころがある。素人どもがイルカショーやペンギンに気を取られている間に、海底トンネルとジャングルエリアを堪能した。ヤドクガエルのフィードショーが見れてもう最高。

◆🌯◆

それでは本来のミッションに取りかかろう。駅に戻り、GO EAST……お望月さんからの情報が示しが正しければここにあるはずだが……あったわ。

ドデカイ黄色い看板、これは噂に聞いていたGYGとやらか、どれ、味見してやろう。

「オラ、アミーガ。ブリトー……スパイシーポークをください、飲み物はコーラで」

これがGYGのブリトーだ。アルミ複合材料の包装がアメリカっぽい。さて、味は……

チョー旨かった。

母なるトルティーヤの中に、ソースが染み込んだライスがびっしり詰まっている。この時点でもう最高だ。更に進むと、スパイシーな豚肉とジューシーな野菜が姿を現した、かぶりつく、苦手のトマトの輪切りもソースのおかげで難なく食べれた。額に浮かんだ汗を拭き、満足になったおれはトレイを回収口の戻した。GYG、これはまた東京に来ることがあればまた訪れたいものだ。他の店では四人以上で食べ放題が出来るようだ。おれ、エルフの王子、レディ、ダーヴィ、コンビニ店員、これで五人だ。行ける行ける。

えっ、なに?イマジナリーフレンドが頭数に入らない?なんてことを言うんだ!確かに彼らは僕の頭の中にしか存在していないけれど、血肉のある、その、あの、数人が人間ではないけど人間なんだ!なのに彼らのブリドーを奪う権力を貴方が持っているというのですかのですか?!もういい! IFRD(イマジナリーフレンドライツディフェンダーズ)に訴えかける!

【Last dayに続く】

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