見出し画像

ZITA-BATA旅行記 2日目 選択は必ず結果が伴う

一日目

15:55、俺は再びアーティストアレイに戻った。でもさおとめ先生がいなかった。机に「留守中、20分後戻ります」と書いたノート紙が置いてある。リクエストした色紙はラフ画が出来上がった程度。俺は女子トイレの前に成している長蛇の列を一瞥した。いや、余計な憶測はよくない。

前回の言った通り、きょうは19時にフォロワーと新橋で飲み会の約束がある。15時に幕張メッセから離れ、ホテルにもどって着替えのあとおみやげを持参して新橋に赴き、もし時間余裕があれば汐留のタコベルで何か食ってから集合場所に赴く算段がすでに実行不可能。

ちょっと困ったね。二日目は来る予定なかったけどもう金払ったし。仕方ない。俺は会場で配られたチラシの背面にこう書いた。

すみません。用事で離場しないといけないので、明日また来ます_Akuzume

ペンで日本語を書いたのはいつ振りか。日本語に離場(その場から離れる)という単語がないことも知らずに、さおとめ先生の机に置いた。これで二日目の来場確定だな。一日チケットも安くないんだよなぁ……

最後にスタンおじいさんの写真に一礼し、幕張メッセから出た。

画像1

ありがとう、スタンおじいさん

ホテルに戻るまでは意外と時間が掛からなかった。急ぎに歯を磨いて、コンタクトを嵌めた。そしてベイマックスTの上にデニムシャツとスーツの上着を被る。鏡の前でモスト・マスキュラーのポースをとる。よし、決まっている。かばんをおみやげが入ったMOS BURGERのテイクアウトバッグを提げて、いざ戦場へ。

🚃

乗り替えアプリに導かれて再び千葉駅に来た。さて、総武線快速に乗り替えってわけね。天井からぶら下っている道しるべを見てホームを探す、よし、ここで合ってるな?いや、待て。

表示されている出発時刻がアプリと違わない?

焦る!時間がただでさえギリギリなのに!俺はホームでスマホに覗き込んだ。何を見落とした……ん?となりに書いてある9番線って?おい、おいまさか。

列車の情報を表示するアレを見上げる。ここは4番線と書いてあるよ。同じ総武線快速なのにホームがふたつもある?今までなかった概念が俺の脳を殴った。それほど利用者が多いってわけだ、よく考えれば合理的な処置だが、千葉駅ニュービーである俺を混乱させたのまた事実だ。誰かを責めてるわけではない。とにかく9番線へ急げ!

階段をホッピングするように登り、ラッシュアワーの人混みを避けながら9番線への階段を駆け下がるが、時はすでに遅し。乗る予定だったの電車のドアの閉まり、徐々に加速していった。俺の焦りも加速する。

教訓:日本は鉄道大国。同じラインでも複数のホームに止まることもある。ちゃんと何番線か確認しよう。

🚃

なんだかんで一本遅れた電車に乗り込めたし、約束の七時より少し早く新橋に着いた。ここの工事はいつまで続くんだ?三年前から続いてきたよね?Twitterのグループチャットにメッセージが送ってきた。烏森口のそぼ屋でワインレッドのズボンを穿いた男を探せだって?どこだ?あっ。

居たわ、ワインレッドのズボンを穿いた男。

俺は気を引き締め、自分がより大きく見えるように肺に冷たい空気をいっぱい吸った。ワインレッドのズボンを穿いた男に詰めよせる、8メートル、5メートル、相手はこっちに気づいて警戒し始めた様子、ならば先手でアイサツを決めさせてもらう!

「ドーモ、クリス・エバンスです」
「あー、はい?」

(辛い麺メントに続く)
(3日目に続く)

当アカウントは軽率送金をお勧めします。