超BADASSのニコラス・ケイジが出て機械人形を殺す！【Willy's Wonderland】

あなたがネタバレに晒されるのではない、ネタバレがあなたと一緒に閉じ込められたのです。つまり、逃げ場はないのです。

あらすじ

機械人形が歌い踊るお子様向けのパーティレストラン“ウィリーズ・ワンダーランド”。かつて繁盛していた時代もあったが、度重なる不祥事で店はつぶれてしまった。放置された人形たちが夜になると勝手に動き出し、人を襲って食べると噂される。そして今夜、悪魔に献上された生贄の如く、一人の男がウィリーズ・ワンダーランドに入ってしまった。しかし悪魔はまた知らない、男は最凶にBADASSだってことを……

今日はきみの誕生日！　たくさんあそぼう！
今日はきみの誕生日！　みんなでパーティ！
今日はきみの誕生日！　めいっぱい楽しもう！
今日はきみの誕生日！　みんなでパーティ！

選手入場

イタチのウイリー
ウイリーファミリーのボス。メインボーカルで歌が上手い。腕っぷしが一番強い。イタチなので首がながく、尖った犬歯がとてもワイルド。爪の攻撃にも気を付けよう！

アリゲーターのアーティ
ワニ型のパペット。流線型の身体で狭いところにも入っちゃう。ちょっとスケベなところがある。

カメレオンのキャミー
カメレオン型のパペット。騙し討ちが得意。瞬きする際はシャキ、シャキと鋭い音がする。舌は射出して相手を捉えるだけでなく、いとも簡単に人間を絞め殺す力を持っている。

ダチョウのオージー
ダチョウのパペット。せっかちさん。クチバシ攻撃は脅威的だ。

亀のティト
スペイン語でしゃべるメキシカンの亀パペット。メキシカンだけあって自分の脅威になり得るショットガンの弾を抜いておくなどベテランっぷりを見せた。

ゴリラのガス
パワー系だと思いきやスピードタイプだった。俊敏な動きで相手を追い詰める。友情を重んじている。

騎士のナイティ
騎士風のパペット。ファルシオンみたいなでっかい剣で斬りかかる超武闘派。

サイレンのサラ
女の子のパペット。身体が一番人間に似て、カートゥーンっぽい顔で少年たちの劣情をそそのかす。高速で蔭から蔭へ移動したり待ち伏せしたり、けっこうホラーしている。

ニコラス・ケイジ
自慢のキャデラックがタイヤ全パンクして、修理するも現金もなくカードも使えぬATMもないクソ田舎で立ち往生してるところ、「車の修理代はただにしてやるけど、ウィリーズ・ワンダーランドで一夜泊まり込みで掃除してくれ」という条件で臨時アルバイトになった男。凶キャラ。

リーフ
地元の少女。過去になんかあってウィリーズ・ワンダーランドを激しく憎悪している。

逆襲ありのFive Nights at Freddy's

真夜中、機械人形、アルバイト。なんかデジャヴューが覚えるね？そういえばFive Nights at Freddy'sという、邪悪なパペットたちが襲ってくるピザ屋で五回の夜勤を耐え抜くホラーゲームがあった。ウィリーズ・ワンダーランドはFNAFをモチーフにしていると公言している。私もFNAFのゲーム実況を見たことあるが、自分がやるのは多分むり。だって警備室に固定されて、いつ襲ってくるパペットを警戒しながらライトと監視カメラガチャガチャするのよ？しかもステージが進むにつれて段々鬼畜ゲーに化する。みてるだけでストレスが半端ない。

やられっぱなしは悔しい。フレディに一矢報いたい。この映画がその願いを叶えてくれた。

凶ケイジ

ニコラス・ケイジが扮する清掃員（Janitor）は……清掃員じゃなんか弱そうなのでバッドアス君と呼ぼう。バッドアス君はセリフが一切なく、他人とコミュニケーションを取る気もまったくない。ケイジの渾身の演技から彼というキャラを推測するしかない。

彼は極めて寡黙で、誰にでもメンチを切る悪そうな雰囲気だが、仕事に対して意識が高く、落書きだらけの壁に清潔剤をかけて徹底的に汚れを落とし、黄ばんだ小便器をピカピカに磨きあげる。労働基準法を厳守し、一時間ごとに必ずエナドリ休憩に入る（たとえ地元の青少年がパペットに襲われている最中でもだ）。綺麗好きで、パペットをやっつけて返りオイルまみれになる度に倉庫にある備品のTシャツに着替える。

法律的立場に気を遣っているようで、パペットは明らかに敵意を持っていると知りつつも、相手が仕掛けてこない限り絶対手を出さない、自己防衛の大義名分を得てでパペットをぶっ殺す。なのでバッドアス君は始終被動的な立場でアンブッシュも受けるが、その度に残虐な喧嘩殺法で100倍やり返す。パペット相手だから幾らグロくやっても問題ない！脊髄抜き！便器砕き！顎はずし！そしてパペットを滅多打ちしている時現れるバッドアス君の愉悦な表情！！

今回のケイジはいいケイジだった。私は満足している。御結婚おめでとうございます。

程良い暴力、程良いギャグ。ニコラス・ケイジの怪演（最近はいつも怪演していると思わなくもないが）のため映画館に足を運ぶ価値が12分にある。日本に上映したら是非映画館に行って、バッドアス君と共に閉じ込められよう。