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ポジティブな全体定例のためのちっちゃな工夫の積み重ね

全体定例って、難しいですよね。下手すると、発表する人も聞いてる人も、全員ただのストレスタイム、みたいなことになりかねない。私も一年間ペイミーでの全体定例を運営・進行していて、試行錯誤しながら、ずっと何がベストなのか探っていました。

これはただの私の試行錯誤の記録です。私なりに意識してやっていたことが、同規模のスタートアップの皆さまに、一つの事例として少しでも参考になれば幸いです。

退職エントリー書いた後でやや恥ずかしいのですが、一応まだ在籍しているのと、次の仕事までちょっと時間あるので書いてみます。

最初はピリピリした雰囲気だった

「ちょっと怖い雰囲気かも」。私が初めて全体定例に参加した時の印象です。当時はメンバーが15名ほど。毎週金曜日の18時、当時オフィスがあったマンションの一番広い部屋に、みんなでPC片手に輪になり、スタンディングスタイルでやっていました(椅子が足りないので)。

セールス、CS、開発、PR、バックオフィス...。各セクションがスライド一枚程度の資料を読み上げていきます。ビジネスサイドは、今週の数値結果と現状の課題感が主でした。「そもそもこの課題感ってあってる?」「課題に対する打ち手は?」という経営サイドの(至極真っ当な)ツッコミに、発表者はビクリと体を硬直させて、ややしどろもどろに回答する、そんな光景が当たり前でした。

かなりチャレンジングな数値目標を置いていたこともあり、未達の報告が続きます。発表する側も辛いですし、聞いている側もその緊張感が伝播しドキドキします。

週の最後にせっかくみんなで集まっているのに、一番しんどい時間待っている。。。もっとポジティブな時間にできないかな。そんなことを考えていました。

今週の良かったことを発表内容に追加

全体定例内で、創業当初から続いているとてもいい習慣に「熱盛制度」というものがあります。熱盛=MVPで、今週とてもいいアクションや成果があったメンバーを指名して、みんなで称える時間です。

熱盛の良いところは、指名するのは先週の熱盛メンバーで、リレー形式だということ。あくまでも、個人の主観であるというのが、人選の幅を生み出します。シンプルに、「今週は●●さんにとても助けられました」という感謝でもよいのです。熱盛の時間はみんな笑顔で、くだらない冗談なんかも平気で言えます。この空気を、全体定例全体にも広げられないか、と考えました。

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タイトルにも使った写真。熱盛に選出されたメンバーが銅鑼を叩いて、「今週もお疲れさまでした」と言うのが一週間の終わりの恒例。

全体定例を、もっとポジティブな空気が溢れる時間にしたいという想いを伝えた上で、「どんなに小さなことでもいいから、今週よかったことを発表内容に追加してほしい」と私はみんなにお願いしました。「●●さんのアポが爆発!」「▲▲が進捗した!」「業務委託で××さんがJOIN!」。ポジティブな報告が少しずつ増えていきました。

来週のMUSTを発表内容に追加

私が感じていた別の問題。毎週同じような課題と打ち手の発表になっているというものです。「リストの数が枯渇しそう」「商談になかなかつながらない」「商談スキルのばらつきがある」。課題感としては正しいのですが、それって一週間でどうにかなるものではない。必然的に、毎週同じことを同じように申し訳なさそうに発表することになってしまいます。

発表者もしんどいし、聞いている側も進捗感を感じられずにイライラしちゃう...。これってめちゃくちゃ無用のストレスじゃないですか?

そこで、課題に対して「来週MUSTでやること」を必ず宣言してもらうようにお願いしました。商談スキルのばらつきが課題であれば、来週必ずロープレを1人2件やる、とかでいいんです。小さな進捗でも、確実に前に進んでいると感じられることが大切だと考えました。

必ず拍手する

ペイミーのメンバーは、みんな真面目です。高い目標に対し、できたことよりもできなかったことで頭がいっぱいになり、発表中、やっぱりどうしても申し訳なさそうになっちゃいます。

そこで、めちゃくちゃシンプルなんですが、各セクションの発表の後に、必ずみんなで拍手をするように促しました。拍手ってすごいですよね、なんかそれだけでポジティブな感じがでる!あと、発表と発表の間にリズムもできて、定例自体の疾走感が増しました。

普段関わりのないチームのメンバーにコメントを求める

雰囲気以外の面では、聞いている側が受け身の場にしないためにどうすればいいかも考えました。私自身、学校の朝礼とか、興味のない授業とか、超適当にやり過ごしてここまできたタイプです。一方通行の発表を聞くだけでは、どうしても他人事のように思えてしまうだろうなと考えました。

もちろん、理想はこうです。「スタートアップなんだから、みんなで一つの目標に向かうのは当たり前。他チームのことでも、関係のない話なんてない!」。そりゃそうなんですけど、正論だけ振りかざすのは怠慢です。仕組みの面でも、もうちょっとインタラクティブに、聞く側も参加できる場にしたい。

そこで、各セクションの発表後、あえて普段関わりのないチームメンバーを私がランダムに指名して、コメントを求めることにしました。開発やデザインの発表には、セールスメンバーを指名、といったカタチです。鋭いコメントなんて必要ありません(あったらよりいいけど)。「いつもありがとうございます」でも「●●ってなんだかわからないけどすごいっすね...!」とかでもいいんです。いつ自分が指名されるかわからない適度な緊張感と集中の中で他チームの発表を聞くことや、コメントのやりとりで一言二言でもコミュニケーションが生まれるだけでも十分効果はあると考えました。

こういったちょっとしたコミュニケーションが、社内での部署を跨いだ相談や連携が増えることに確実に繋がっていくはずだと、私は信じました。

専門用語は自分(進行役)から質問する

他チームにコメントを求めるということは、他チームにもわかりやすく、理解しやすい発表を心がける必要があります。そうは言っても、金曜ギリギリまで数値を作って臨む定例。資料を作る時間はそんなに割けないし、発表中はどうしても緊張します。そのため、発表内で自チーム内で使われている用語が意図せず飛び交う場面もありました。

ペイミーのメンバーは真面目なので(二度目)、わからない用語があっても、(わかってない自分が悪いのかな、あとでググろう)みたいに考える人が多いです。でも、せっかく同じ場、同じ時間を共有しているのに、それめっちゃもったいないっていうか。そもそも何がわからなかったのか忘れちゃうことの方が多いので、進行役の私が率先して「●●ってなんですか?」「▲▲についても説明してもらってもいいですか?」と質問していました。

発表時間を1分15秒に。時間切れで銅鑼を鳴らす

人数が多くなり組織内の役割分担が進むにつれ、発表セクションが増え、定例の30分間で収まらないことも多くなってきました。定例の時間伸ばしたらいいっちゃいいのですが、時間内に収まらない場合の多くは、発表内容をよりシンプルにすることで解決できるように思えました。

そこで、発表時間を1分15秒と決めて、時間が来ると小さく銅鑼を鳴らす運用にしました(なぜ銅鑼なのかは、そこにあったからです)。

1分15秒ってのは個人的に絶妙な時間だと思います。1分だと駆け足だし、1分半だと冗長な感じ。

あと、銅鑼も絶妙だったと思います。銅鑼を小さく遠慮がちに叩くと、「ぼぉ〜〜〜ん..」って、ちょっと間抜けな音がするんですよね。なので、高圧的な雰囲気を出さずに、「時間過ぎてるよ〜」って伝えられるのはよかったです。

オンライン編:Slackでコメントスレを作る

そんなこんなで大分ポジティブな雰囲気になってきた全体定例ですが、4月以降は完全オンラインで実施しています。

オフラインでは、みんなの表情を見ながら、コメントする人を指名したり、フォローしたりができていたのですが、それが難しくなり、今までのようなテンポの良い進行はどうしてもできないと考えました。

そこで、みんなにコメントを求める代わりに、Slackの#generalに全体定例コメントスレをたて、発表中に、自由にコメントを書いたりスタンプを押したりしてもらうようにしました。

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30分間の定例で、毎回150件前後のコメント!

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こんな感じで、発表中もみんなのコメントや賞賛が溢れまくる!

発表内容についての質問もこのスレッド内に投稿してもらい、私がリアルタイムでスマホを確認しながら、適宜質問内容を代弁して発表者に聞いたり、「みんなから●●について、すごいすごいってスタンプの嵐です!」みたいな実況を発表者に届けたりしていました。

この形式になってから、オフライン以上に、全員が参加している感がめちゃくちゃ出ました!小さな熱盛もいっぱい生まれました。みんなの盛り上げ力素晴らしいなと思います。

さいごに

めちゃくちゃ普通のことしか書いていないのですが、個人的には小さな工夫の積み重ねで、少しずつ雰囲気を作っていくことってすごく大事だと思っています。場面場面での雰囲気が、会社のカルチャーにつながっていきます。定例に参加したことで入社を決めてくれたメンバーもいました(すごく嬉しい!)。

withコロナ時代。職場でもオンラインやオフラインの在り方が再定義されていきますが、できることから小さなトライを積み重ねていくことは変わらずやっていきたいと思います。

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