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将棋界の天才二人の「考え方」を知る!!「天才の考え方 藤井聡太とは何者か?」

過去には名人位も獲得され、引退後は「ひふみん」の愛称で将棋を知らない人たちにも有名な加藤一二三先生。

現名人(2020/09/25時点)で20歳で初タイトルを獲得して以来、36歳の現在まで常にいずれかのタイトルを保持されている現役トップ棋士の渡辺明三冠。

この本では、こちらの天才お二方の「考え方」「思考法」を紹介しています。

大きく5つの章にわかれていますが、そのうち1章はお二方の対談の章になっています。

対談の章を本書に掲載されている(おそらく対談時の)写真とあわせて読むと、とても和やかな雰囲気の中で2人の天才がお話しをされていたのかなと想像してしまいます。


今回読んだ「天才の考え方 藤井聡太とは何者か?」はこちら ↓

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「天才の考え方 藤井聡太とは何者か?」はこんな本。


将棋の世界でトップクラスの実績を持つお二方は、対局時や対局の外ではどのように将棋と向き合っているのか?

コンディションやモチベーションの保ち方は?

そして、それらの行動に至るための考え方は?

本書で書かれている思考法は将棋というジャンル以外においても、参考になることがたくさんありました

また、加藤さんと渡辺さんの考え方の違い、言い回しは違っても本質的には似ている考え方などを知ることができ、とても興味深いです。

加藤さんの章と渡辺さんの章がありますが、それぞれの文章表現の違いを感じるのもおもしろかったです。

加藤さんはこれまでの著書と比べると普通っぽい感じがしました。しかし、それでも渡辺さんの章と比べるとそれぞれの言葉選びなどがあり、おもしろかったです。

また、思考法や対談のなかで、近年の将棋界の注目ワード「藤井聡太」さんと「AI」について触れられています。

将棋の世界で一流の実績を残してきたお二方の視点でどう思っているのかを知ることができるのはとても興味深いところです。


「天才」の定義・説明から始まる本書


まず、最初に「天才」という言葉の説明が書かれています。

お二方は間違いなくその「天才」です。

そして、次のページからはお二方の格言が各自2点ずつ計4点、顔写真とともに紹介されています。

ページを贅沢に使いステキな顔写真とともに書かれた格言は、とても印象的です。

この冒頭の数ページを読んだだけでも私は幸せな気持ちでいっぱいです。

本書の必見お薦めポイントです!


つぎに、目次に目を通します。本書は大きく5つに分けられています。

・渡辺明の思考法① 天才の準備の仕方

・加藤一二三の思考法① 天才は過去も未来も気にしない

・対談 アナログ思考vs.AI思考 天才の運とツキを考える

・渡辺明の思考法② 天才はそこに「解」があるか考える

・加藤一二三の思考法② 天才が考えるライバル論


思考法の章では、1テーマにつき、だいたい2~4ページで書かれています。短いページ数でテーマが変わっていくので読みやすいです。

本書は将棋をテーマに書かれているのですが、専門的な言葉や難しい言い回しは極力避けて書かれている印象を受けました。

将棋を知らなくても読めるようにしているのだと思います。

それでも数か所、戦法名などの専門用語があるばあいは、簡単な説明書きを載せているので、詳しくないかたでも「そういうものなんだね」と思ってスムーズに読み進めることができます。


印象に残ったところ① -揮毫「直感精読」-


直感を大切にそれを深く読んでいくという意味。加藤さんが色紙や扇子によく書かれる揮毫のひとつです。

早指し(将棋の一手を短い時間で指すこと)と長考(長く考えること)の両方で有名な加藤さんですが、「最初のうちは一手一手を長く考えず、直感を大事にして早く指すように」指すことを本書では薦めています。

少し意外な一言に思えたのですが、将棋では考えきれないほどたくさんの手があります。その中から良い一手を思い浮かべるようになるための「直感力」を備えるためにとても大切なことかもしれません。

最初のうちはあれこれ考えずにたくさん経験を積んで直感力を養い、いろいろな考え方ができるようになったほうがよいということでしょうか。

加藤さんの揮毫「直感精読」は昔から知っていますが、今思うといまいち深い意味がわかっていなかったようです。これまでは「直感」と「精読」が大事なんだなというイメージでした。

今回このページを読むことで「直感」と「精読」のより深い意味がわかりました。精読は何でも深く考えればよいわけではなく「直感」を「精読」していくことが大切だということを知ることができました。

直感で(良い手が)浮かばないうちはそれがその時の実力なのかもしれません。


印象に残ったところ② -デビューの年に「私は加藤さんに勝てると思っている」と言った渡辺さん-


渡辺さんはデビューの年(当時16歳)に加藤さんと対局をしています。その際にラジオ番組で「私は加藤さんに勝てると思っている」と発言したそうです。

本書ではそのことに触れ、加藤さんは「いい話」と言っています。

加藤さん自身も「若いころはいつもそういう気持ちで指していて、よく勝てていたのでそれでいいと思う」とのこと。

個人的には、試合前に相手に「勝てる」と言われるのはあまり気分がよくないことだと思っていました。

しかし、加藤さんは「それは勝負事に対する姿勢のありかたとしてよいこと」と考えているので、この発言によって渡辺さんの才能のひとつを確認でき、関心したのでしょう。

加藤さんという天才の考え方を垣間見ることができた印象に残るページでした。


感想


好きな人同士の対談・共著なのでとてもワクワクしました😆

2人の棋士を主役にして1冊の本に作っているという形は、私はあまり読んだ記憶がなく、加藤先生の章と渡辺先生の章が入れ替わっていくのはとても新鮮でした

加藤さんの章では、ほかの著書や記事などで知っている内容も多かったですが、そのテーマについて加藤さんは強く信じていて、読者に伝えたいという気持ちのあらわれなのだと思います。

そのため、加藤さんの言葉は強く心に残ります

また、同じ内容を扱っていても一字一句同じ文章というわけはないので、私は毎回楽しく読んでいます。

渡辺さんの章は、とても分析的な視点で書かれている印象でした。「プロ棋士をいつまで続けるつもりなのか」「将棋界の今と昔の特徴・違い」「モチベーション・コンディションの維持・管理」などをしっかり分析して、渡辺さんの思考法が作られている印象でした

それぞれの思考法を一冊の本にするという本書のつくりはとてもおもしろいものでした。

是非とも将棋界の天才2人の考え方を垣間見てはいかがでしょうか。


「天才の考え方 藤井聡太とは何者か?」

著者:加藤一二三・渡辺明

出版社:中央公論新社


最後までご覧いただきありがとうございました!


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