もし私がゴールドジムのマーケティング責任者だったら?
6月からゴールドジムに入会しました。
ゴールドジムをビジネス視点で見ていくと、マーケティングの素晴らしさに衝撃を受けます。ジムの業界の中で圧倒的に商売が上手です。
初心者でも入会し易いように、入会特典として「6回のパーソナルトレーニング+プロテインがその場で飲める」制度やサウナや風呂(店舗による)の設備も揃い、何より器具の待ち時間も少ない。
こんな良いジムだったのか!と入ってから知る事ばかりです。
大衆向けにマーケティングコピーを開発し、改善したいな~と思うことが非常に多いし、もっと知って欲しい。とマーケター魂に火がつきました。
今回は「もし自分がゴールドジムのマーケティング責任者だったら?」という観点で書いてみたいと思います。
基本的情報の把握
まず、分析・提案において、理解しておきたい項目をまとめていきます。
今回、発信のきっかけとなった黒澤さん(@KurosawaTomoki)が出しているマーケティングトレースの型を元に作成してみました。
その他にも把握しておきたい点をまとめていきます。
《サービス概要》
業界内でTOPクラスに充実した器具を揃えたフィットネスジム。また、パーソナルトレーナーへ場所のレンタル事業やプロテインなどの付随商品の販売にも力を入れている。
今回は付随事業には触れずに、「ゴールドジム」に絞った内容になります。
《市場規模と環境》
2016年:4,473億 / 2017年:4,600億 / 2018年:4,790億
フィットネスジム業界は右肩上がりで成長を遂げています。フィットネスブームにより、ジムやフィットネスアプリケーション等、直接的な業界と付随する業界は「成長期」だと言えます。
《ゴールドジムの現状》
公式に売上や会員数は発表されていません。
本来であれば、会員の内訳(ユーザー分析・集客経路分析・継続率・人気メニュー・売上比率・各利益率)を詳細に把握したいです。
分かっているのは「世界30カ国・700カ所以上・300万人のメンバーを誇る」ということだけ。
《マーケティング責任者として追う指標》
重要な指標は「会員数」「継続率」の2つです。
会員数増加のためには、見学誘導数や問い合わせ数も追っていく必要がありそうです。(既存の集客経路分析をしたいのが正直なところですが…)
継続率増加のためには、退会ユーザーの特性(性別・年齢・継続年月・退会原因等)を調査していきたい。
また、テストマーケティングを重ね、「1店舗当たりのアクティブユーザー率」の振れ幅を試していきたい。
実施したいマーケティング施策
ここから、もし私がゴールドジムのマーケティング責任者だったらどういう施策を行うか?について記載していきます。
私は施策を整理していく際、上記のマッピングを使用します。
横軸には「時間軸」。これは、経営者が最も気にする部分です。いつまでに○○くらいの結果が出る。ということを説得できなければ、投資判断は頂けません。
縦軸には「資産性」。脱広告モデルで集客を行ったりブランドイメージを定着させる手法は長い期間が必要です。
短期施策・中期施策・長期施策の3つに分けて施策を実施していきます。
短期施策3選
Twitter広告(フォロー&RTキャンペーン)
以前、Twitter広告について下記のツイートをしました。
SNS上で広告成果を出そうとすると、Twitterの立ち位置は微妙です。実際、私はユーザーとしてTwitter広告に反応したことはありません。
そのため、Twitter広告ではハードルが低く、インプレッション数が最も期待できる「フォロー&RTキャンペーン」を実施します。
プレゼント内容を決めるために、オンラインショップやリアル店舗での人気商品をピックアップしていきます。この時、感覚は一切捨て、データのみで判断します。
・売れ筋
・リピート率が高い
・マッチョ向けではなく大衆向け
この3つを考慮して、プレゼントの内容を決定します。一気に数万~数十万フォローは獲得できると思います。
フォローワー増加後の施策は長期施策になるので、後述します。
LINE広告(CPF配信)
CPF(Cost Per Friend)配信とは友だち追加1名につき費用が発生するモデルです。LINE広告で最もCPAが安価である施策です。
LINEの友だち数千~数万人を1ヵ月で獲得します。
そこから売上に繋げていくために下記の3つを実施します。
・顧客育成コンテンツの企画(ジムの選び方や筋トレ方法等)
・LINE専属のカスタマーセンター、データ分析改善チームの確立
・LINE専用のシステム導入による1部自動化と効率化
これに伴い、各店舗でのLINE導入も進めたいです。受付を見ていると電話対応の数が半端ない。LINEで対応できるようにすれば、店舗内オペレーションの効率化にも繋がります。
そして、店舗毎にキャンペーンの告知や採用情報の送付等、上手に活用すれば、更に事業成長が進むでしょう。
公式HPの改善
色々と言いたいことはありますが、即実施することは画像の様に出口を目立たせること。
公式HPの出口は「入会・見学」「資料請求」「ショッピング誘導」の3つです。
この3つの出口を分かり易くするために、黒背景のフローティングバナーにそれぞれのバナークリエイティブを置きます。
また、入会・見学・資料請求が同じになっているので、これも「入会・見学」「資料請求」を分けて記載します。
中期施策3選
見学対入会率の向上
これ、ゴールドジムのマーケティング責任者に声を大にして伝えたいです。
見学や体験をしに来てくれた方に対して、「ゴールドジムの良さが全く伝わってない!!!!」というのが経験して感じた事です。
全店舗でオペレーションを統一させれば、入会率は20~30%は上げられる余地がありそうです。
・店舗別の見学対入会率の洗い出し&データ×ヒアリングで分析
・見学前のアンケート記入を導入し、ユーザー分類
・分類されたユーザー毎に適切な見学、体験プログラムを案内
・案内の属人性を排除するために、人×ipad案内を導入
・見学案内は正社員のなるべく可愛い女性にしてもらう…小声
これらを実施します。
LP×広告モデルの確立
現時点で、ゴールドジムはLP×広告モデルを実施していないようです。
新規店舗出店の際に、エリアターゲティングで初期の一定数の利用者を集客するのには最も適切なので、ここのノウハウは確実に内製化しておきたい。
そのため、低予算でCVRが高い「訴求軸」や「出口設計」、「行動喚起のキャンペーン軸」「クリエイティブ」、「キーワード」等のデータを収集します。
勝ちパターンが見えてきたら、新規店舗出店の際の初期利用者を数十名を集める際だけに使っていきます。
アフィリエイト
ゴールドジムの内部情報を見なければ、施策の改善提案が難しい。現状としては、オンラインショッピングのアフィリエイトプログラムは実施しているようです。
購入金額の10%をアフィリエイターに還元させる仕組みをまず変更させていきたい。ここを引き上げて、提携アフィリエイターを増加させます。利益率はある程度、度外視で進めます。
アフィリエイトの施策からは他の施策に生かすことができる有益なデータが膨大に取れます。データを活かし、全ての施策の質を上げていきます。
長期施策2選
メディアの立ち上げと運用改善
ゴールドジムはSNSが弱いです。理由は明らかで、写真や動画撮影が禁止だから。これを辞めろとは言いませんが、やれることは沢山あります。
まずは、いきなりバズるコンテンツは目指しません。
・基本情報(店舗内の案内や料金、特徴、差別化ポイント等)
・マシーンの使い方
・入会者特典の無料パーソナルトレーニングの内容説明
一見、つまらないコンテンツですが、購買決定への寄与度が高い要素のコンテンツを制作していきます。
そこからはSNSとSEO別に優秀なコンテンツ責任者を雇い、各媒体を本気で運用すれば成果は出るでしょう。
簡単に各メディアの運用について触れていきます。
YouTubeでは「動画である必要性の高いコンテンツ」
SEOでは「用語集やフィットネス全般の知識を配信」
YouTubeとSEOは連動・回遊させ、人気記事は動画化するなど、上手く活用していきたい。
instagramでは筋トレに役立つ情報を動画やテキストで配信。ただ、公式アカウントで実施しても伸びは悪いと思うので、個人のメディア化を進める。成功事例が多数あるので、徹底的に真似していく。
Twitterでは、各メディアの最新情報を配信。
アンバサダー任命
筋トレ系のインフルエンサーはマイプロテインのアンバサダーが非常に多い。しかし、アフィリエイターの様な立ち位置になっています。
ゴールドジムではアンバサダーを任命し、広告塔としてPRしてもらうだけでなく、各施策のクリエイティブにも活用し、「ゴールドジムと言えば、〇〇」「〇〇と言えばゴールドジム」というようにアンバサダーからゴールドジムの世界観まで伝わるようにしていきたい。
人間の認知~購買プロセスにおいて、「安心」という感情は絶大な効果を与えます。
国民的認知度が高い著名人をアンバサダーとして任命し、ゴールドジムに対しての安心感を強化していきたいですね。
まとめ
最後まで見て頂き、ありがとうございます!
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