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#小説
おやすみ、コットンキャンディー
「僕たちきっと、幸せにはなれないよ」
その声は震えていた。ぴんと張り詰めた糸が途切れてしまった気がしていた。
きっかけはいつからだろうか。ひょっとしたら、今日はこんなことがあったねえなんてさりげなく交わしていた日常の対話が原因なのかもしれないし、そうじゃあないのかもしれない。それか、あの夏に二人だけで背伸びして出掛けて、人影を恐れながら食べたコットンキャンディーがキーになったのかもしれない
「僕たちきっと、幸せにはなれないよ」
その声は震えていた。ぴんと張り詰めた糸が途切れてしまった気がしていた。
きっかけはいつからだろうか。ひょっとしたら、今日はこんなことがあったねえなんてさりげなく交わしていた日常の対話が原因なのかもしれないし、そうじゃあないのかもしれない。それか、あの夏に二人だけで背伸びして出掛けて、人影を恐れながら食べたコットンキャンディーがキーになったのかもしれない