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ドラマ『かぞかぞ』(最終回)

家族をめぐる「楽しい」や「悲しい」など一言では説明ができない、情報過多な日々の出来事を、笑えて泣けて考えさせられて、心がじんわり温かくなる令和の新しいホームドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった(#かぞかぞ)』の最終回。

七実(河合優実さん)、ひとみ(坂井真紀さん)、草太(吉田葵さん)、耕助(錦戸亮さん)、芳子(美保純さん)、5人はずっと家族だ!耕助のお墓参り前夜、集まった家族はそれぞれが思い出を振り返る。

回想多め、七実の亡き父・耕助登場多めな最終回。耕助の口癖「大丈夫や」が、七実の「呪いの言葉」になっていたエピソードは第5話の肝でしたが、それが「祝いの言葉」にもなることも示されました。七実妄想シーンも最高。ラーメン食べたくなりました。

頑張り過ぎる娘に、今のままの七実で「大丈夫」という耕助。それに対し、世の中には二種類の人間がいて、大丈夫な人間と大丈夫じゃない人間がいるという七実。草太と芳子は前者、自分とひとみは後者だと。

耕助自身も後者の人間で、自分が必ず家族を幸せにするから「大丈夫」と言い聞かせ、頑張り続け、早死にしてしまったのでしたが、そんな耕助に「頑張ったな」と声をかけ、耕助が残した家族たちの幸せの証・愛車「ボルちゃん」を、何年も頑張って買い戻した七実。耕助もようやく成仏できるかな。

最後は家族で耕助の墓参りという、初回につながるラスト。いや、本当に傑作でした。今年1月期の『不適切にもほどがある!』を超えて、今年1番ですね。にしても、NHK火曜ドラマの傑作率が高過ぎです。

余談ながら。人間の自我は「必要とされる必要」があって、他人に認められることを欲する生き物ですが、その程度は人それぞれ。草太と芳子は、他者の評価をそこまで気にせず生きていける「大丈夫」な人間。七実とひとみは、他者から認められたい願望強めな「大丈夫」ではない人間。

余談。連ドラ版『踊る大捜査線』第10話を視聴。キャリア警察官の真下(ユースケ・サンタマリアさん)が、警官殺し・安西昭次(保坂尚希&保阪尚輝さん)に撃たれた回。

最終回の解決編はもちろん面白いんですが、連ドラのピークはこの回。真下を撃った拳銃の弾を、雨の中で青島らが探す演出が秀逸。これまで散々、使えなかった上司たちの「前振り」も効いていて、一致団結して被疑者確保に邁進する姿が最高です。


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