ドラマ日記『コントが始まる』(第3話)『最高のオバハン』(第4話)ほか

売れないお笑いトリオ・マクベスと、彼らのファンになるファミレス店員・里穂子(有村架純さん)らが織りなす青春群像劇『コントが始まる』の第3話。有村さんの圧巻の長台詞が印象的でした。

1年半前、一流企業を退職した里穂子と、その姉を救出しに現れたつむぎ(古川琴音さん)の訳アリ姉妹の謎が明かされる。その姉妹の根底に流れるものは、春斗(菅田将暉さん)の兄弟関係と重なる点が見えてきて……。

マルチ&カルトにハマった春斗の兄・俊春(毎熊克哉さん)の家庭崩壊と引きこもり、そして復活が描かれる一方、里穂子の辛い過去と妹・つむぎによる救出が、有村さんの震える長台詞で明らかに。真面目で優秀な人間が陥りがちな罠という意味では、似てましたね。

朝ドラ『まんぷく』塩軍団の一人だった毎熊さん。最近は『恋はつづくよどこまでも』『妖怪シェアハウス』など、連ドラ常連になってきました。今期も実は『半径5メートル』に掛け持ち出演。本作で潤平(仲野太賀さん)の彼女役の芳根京子さんと、ベッドで朝を迎える先輩役を演じています。

次は、美容クリニックの敏腕経営者ハルコ(大地真央さん)に、編集者のいづみ(松本まりかさん)が翻弄されいく、痛快毒舌エンターテイメント『最高のオバハン 中島ハルコ』の第4話。

イケメングルメインフルエンサーのケイスケ(河相我聞さん)プロデュースのうどん屋を訪れるハルコといづみ。ところが、味が微妙で怒り心頭のハルコ。物語は意外な展開を見せ、なぜかケイスケと神の舌を持つ隆行(永嶋柊吾さん)が、ローカルテレビ局でグルメ対決をすることに!

グルメ評論家と呼ばれる人たちは昔からいますが、現在ではSNSを通じたインフルエンサーという立ち位置の人たちも多いのでしょう。一定の影響力を持ったケイスケが、悪徳プロデューサーと組んで、悪行三昧。最終的にはハルコが成敗するという、いつもの流れ。

「顔も出さずに誹謗中傷するのは、卑怯者の戯言」「人の噂とSNSには信じる価値は微塵もない」と言い切ってしまうところがハルコらしい。最後は、密かに低レベルな動画でYoutuberデビューしていた、いずみが辱められるオチでした。

名門国立大学の広報担当・真(松坂桃李さん)が、次々に巻き起こる不祥事に振り回されるブラックコメディ『今ここにある危機とぼくの好感度について』の第2話。

岸谷教授(辰巳琢郎さん)の論文不正に、大学当局は本調査に乗り出すことを余儀なくされる。だが、理事の須田(國村隼さん)らから過小報告のプレッシャーを受けた調査委員・上田教授(国広富之さん)が倒れてしまう。そんな中、澤田教授(池田成志さん)が調査委員を継ぎ、真を訪ねてくる。

真を通して、告発者のみのり(鈴木杏さん)に接触する変人・澤田教授。「70年代の匂いがする」と彼女を気に入った教授は、さらに会おうとしますが、板挟みの真は阻止に回り…という展開。大暴走する教授役を、『半沢直樹』でも知られる池田さんが、嬉々として演じる独壇場でした。

正論派で孤立していた室田教授(高橋和也さん)に賛同する者も現れ、潮目が変わるかと思いきや、結局は理事会の隠蔽成功。敗れ去ったみのりは、九州の企業に職を得て、深夜バスで出発するところを、真が見送りに。二人のやり取りと表情がなんとも切ない。容赦ない苦いエンドながら、リアル。


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