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俳優ノート『江口洋介さん』

気になる俳優さんの出演作についての覚え書き「俳優ノート」。今回はドラマ『天使にリクエストを〜人生最後の願い〜』に主演する江口洋介さん。

連ドラ主演できる俳優は一握り、まして10年以上継続できる俳優はさらに少なく。そんな中、『ひとつ屋根の下』(1993年)以来、30年近くコンスタントに主演を続ける江口さん。

また、脇にまわっても抜群の存在感を発揮するのも強み。主演(ヒロイン)しかやらないというスタンスだと、いつか行き詰まりますからね。というわけで、まずは初期の代表作『東京ラブストーリー』(1991年)。

バブル末期における、フジテレビ月9恋愛ドラマの金字塔、不朽の名作などと称されますが、ドラマと主題歌のタイアップが、最も幸福な形で成功した時代の象徴でもあります。小田和正の「ラブ・ストーリーは突然に」なくして、本ドラマがあれほどの成功を収めることはなかったでしょう。

江口さんはカンチ(織田裕二さん)の愛媛時代の同級生で、女性関係が激しいチャラめの医学部生役を好演。『湘南爆走族』(1987年)→『東ラブ』→『ひとつ屋根の下』(1993年)と髪型が激しく変わる江口さん。

次は何度も映像化されている『白い巨塔』(2003年)。主演の唐沢寿明さんとは、『愛という名のもとに』(1992年)でも共演。

江口さんは野心満々の財前(唐沢さん)の同期の内科医役。医師としての正義感ゆえに、時に苦言を呈するものの、末期ガンの財前に最後まで寄り添いました。また、東教授の娘(矢田亜希子さん)からの好意も受け付けない、劇中の良心。『東ラブ』とは正反対の役でしたが、意外に合ってました。

最後は意外に忘れられている隠れた名作『チェイス〜国税査察官〜』(2010年)。国税局の敏腕査察官・春馬草輔(江口さん)と天才脱税コンサルタント・村雲修次の攻防を描いた社会派ドラマ。脚本は『東ラブ』などの名脚本家・坂元裕二さんのオリジナル。

村雲役は当時ARATAと名乗っていた井浦新さん。他にも麻生久美子さん、木村多江さん、斎藤工さん、田中圭さん、奥田瑛二さん、石橋蓮司さんなど豪華キャストながら、のちの「パナマ文書」漏洩(2016年)を予見させる作品でもありました。

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