ドラマ日記『青のＳＰ』＆『オー！マイ・ボス！恋は別冊で』（最終回）
公立中学校に試験導入された、学校内警察の刑事・嶋田隆平（藤原竜也さん）の活躍を描く『青のSP―学校内警察・嶋田隆平―』の最終回。嶋田の暴走っぷりが楽しい本作でしたが、最後は日和見的な結論に着地。
涌井（米倉れいあさん）と尾崎（鈴木梨央さん）が、同じ高校への進学を希望していることを知った嶋田は、一年前の事件について、ある仮説にたどり着く。そんな中、浅村（真木よう子さん）は、誰より真面目な尾崎の意外な一面を知ることに。それは、隆平の疑惑を確信へと変えるものだった。
涌井と尾崎に嵌められたことを逆恨みした岡部（遠藤雄弥さん）が、銃を持って学校に侵入。危機一髪で嶋田が逮捕するという展開。二人が美人局的な行為をしたことはたしかですが、元々岡部はセクハラ教師で、実際に涌井に手を出しているわけで、そこは不問にされている感。
マスコミが学校に集結する中、浅村がスクポリ不要論をぶち上げたのには唖然。まず、なにも解決できなかったお前がそれをいうかというツッコミと、さんざん嶋田が暴走して、学校性善説が欺瞞であることを暴いてきたのに、何その日和見的な結論。最後までスクポリのある世界であって欲しかった。
とはいえ、藤原さんの圧倒的な熱量の芝居には最後まで惹きつけられましたし、山田裕貴さんも脇に回って安定の演技。有望な若手俳優たちの名前と顔を覚えられたのが、一番の収穫かな。やっぱり、学園ドラマは必要です。
続いて、ファッション雑誌編集部を舞台に、平凡女子・奈未（上白石萌音さん）の奮闘と成長を描く、お仕事＆ラブコメディー『オー！マイ・ボス！恋は別冊で（ボス恋）』最終回。最後までキスは淡目でした。
麗子（菜々緒さん）が辞めたMIYAVIは、出稿見送りが続出。宇賀神（ユースケ・サンタマリアさん）は麗子に編集部に戻るよう打診するのだが……。そんな中、次号の目玉の表紙写真がネットに流出。このピンチを乗り越えるべく、奈未らは麗子に助けを求め頭を下げるのだが……。
大方の予想通り、潤之介（玉森裕太さん）は家業を継がずに、カメラマンとしての夢を追いかけ、奈未と復縁。麗子もMIYAVIに戻り、ある程度軌道に乗せた上で、新たな出版社へ。そこに、MIYAVIで3年間キャリアを積んだ奈未が合流するという流れ。宝来家の跡取り問題は軽やかにスルー。
最終回視聴率13.2％と堂々たる数字。『恋つづ』ほどの熱狂は産みませんでしたが、十分すぎるほどの合格点でしょう。今期、上白石さんと同じ東宝芸能の浜辺美波さん出演『ウチカレ』が苦戦しているのとは明暗を分けました。TBSは、今度は浜辺さんを起用してあげて下さい（小野莉奈さんも）。
初回の感想で書いた「既視感のある、ベタなラブコメというのが第一印象ながら、テンポの良さで陳腐になることを回避。『恋つづ』チーム再集結というだけあって、演技・演出・脚本に“手練れ感”があります」という印象は最後まで変わらず。職人芸による見事な佳作でした（一応誉めてます）。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか？