ドラマ日記『アンメット』(第9話)
“記憶障害の脳外科医”という前代未聞の主人公・川内ミヤビ(杉咲花さん)が、変わり者の脳外科医・三瓶友治(若葉竜也さん)と出会い、目の前の患者を全力で救い、自分自身も再生していく新たな医療ヒューマンドラマ『アンメット ある脳外科医の日記』の第9話。
過去に三瓶友治と綾野楓(岡山天音さん)と西島麻衣(生田絵梨花さん)と4人で食事をしたことを思い出した川内ミヤビは、麻衣が三瓶との婚約について何か知っているのではないかと考える。
いきなり脱線話。『踊る大捜査線』では「本店(警視庁)」と「支店(所轄署)」、「キャリア警察官」と「現場刑事」との上下関係が根底にあり。それが、上昇志向の室井慎次(柳葉敏郎さん)と現場主義の青島俊作(織田裕二さん)の対立から相互理解へと進んでいきました。
和久さん(いかりや長介さん)の「正しいことをしたかったら偉くなれ」、青島の「事件は会議室で起きてるんじゃない!現場で起きてるんだ‼」、そして、青島が室井と交わした「あんたは上にいろ。俺には俺の仕事がある。あんたにはあんたの仕事がある」の約束。
組織を動かすポジションに就かなければ、できない大仕事は確かにあり、そのためには清濁併せ呑む必要もあるものの、時にそれは目の前の現実(被害者)から目を背けることにもなり。難しいギリギリの選択を迫られる室井さんは、もう一人の主人公でしたね。
話し戻して、共に重度障害の兄弟がいた大迫(井浦新さん)と三瓶。大迫はその経験から、多くの人たちを医療で救うべく上を目指す中で、西島(酒向芳さん)の不正に加担。一方の三瓶は、目の前の患者を救うべく全力投球しつつも、助けられなかった患者・奈緒(阿部久令亜さん)の事で苦悩していました。
ミヤビが事故に遭った原因も、西島らが不正な買収工作をしているのを聞いてしまい、逃げるように慌てて車を運転したのが原因でした。大迫は、ノーマンズランドに損傷があるミヤビを、三瓶を利用して消そうとしていた西島に反旗を翻し、西島は警察へ。
ラスト、三瓶とミヤビの涙&ハグの長回しシーンは圧巻でしたが、奈緒の母親役で出演した池脇千鶴さんの役作りも凄かったです。『その女、ジルバ』の時もさすがでしたが、今回は一話だけのわずかなシーンに、あそこまでやり切るとは、プロフェッショナルの鏡です。
余談:NHK『スイッチインタビュー』の14日放送回は、女優の上白石萌音さんと気鋭の言語学者・川原繁人さん。この番組はゲスト次第ですが、今回は当たり回。
言語学というと難しく感じがちですが、上白石さんの舞台セリフを科学分析する件は新しい!高圧的な演出家・映画監督が、個人的な経験だけを元にして指導する(時に女優の卵に身体を要求)という、前近代的な状況もまもなく終了するのかも知れません。
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