映画日記『サバカン SABAKAN』
週一で映画館に足を運ぶ新習慣の第8弾。今回は1980年代の長崎を舞台にした『サバカン』。草彅剛さんが出演していることでも話題の作品です。
1986年、夏。斉藤由貴とキン肉マン消しゴムが大好きな小学5年生の久田孝明(番家一路さん)は、夫婦ゲンカばかりだが愛情深い両親や弟と暮らしている。ある日彼は、家が貧しく同級生から避けられている竹本健次(原田琥之佑さん)と、イルカを見るため海へ出かける。
公式予告がYoutubeに「新しい地図」からあげられているので、なんでかなと思いましたが、草彅さんらが所属する芸能事務所CULENの製作だからなんですね。エグゼクティブプロデューサーに飯島三智さんの名前。なるほど。
以下、ネタバレにご注意ください。
構成としては、大人になった久田(草彅さん)が、新しい小説を書く形で小学生時代の回想へ。久田と竹本の冒険と友情の芽生え、仲を深めた夏休み、突然の悲劇と別れ。そして再び現在という流れ。
怒らせると世界一怖い孝明の母親役・尾野真千子さんが相変わらず上手いですし、はまり役。父親役の竹原ピストルさんもいい味を出していて、この二人の丁々発止のやり取りがおかしい。
主人公の子役は演技が初めてということですが、金沢知樹監督の適切な演出もあるのでしょう、天才子役的な演技ではない素朴さが、この映画のトーンにはピッタリ。奇をてらったところがない、ベタではあるけれどそこがいい、ある意味王道なジュブナイル映画。
恐らく在日韓国人設定なのでしょう、冒険中に二人が出会い、孝明の初恋!?の相手となる女子高生を、アミューズが絶賛売出し中の茅島みずきさんが演じていました。孝明の弟役は『テセウスの船』にも出ていた番家天嵩さん。この二人、苗字が一緒だから実の兄弟なのかな!?
号泣したという感想もよく見ますが、自分はそこまではなく。ただ、小学校時代の同級生Kのことを想い出していました。
家族ぐるみの付き合いだったK。よく一緒に遊んでいましたし、両家で家族旅行に行ったこともありました。成績は振るわなかったものの、愛嬌があり人気者だったK。学級委員の推薦ではいつも自分を推してくれていました。
今はあるのかどうか知りませんが、当時は友だち調査みたいなことがあり、親友・友達・クラスメートなどの欄があり、そこに名前を書かされるのですが、映画のエピソードと同じく「自分が友だちと思っていても、相手がそうとは限らない」と考える小学生でしたので、親友・友達欄は空欄。Kの名前も書かず。
中学を卒業してからは会うこともなくなりましたが、親の交流は続いていたのでその時々の近況は聞いていて。就職先の営業で苦労している、転職先で落ち着き太りだした。そしてある朝、部屋を見に行くと突然死していた…。
亡くなってからもう何年も経ちますが、今なら素直に言えますけどね。あの頃の二人は友達だったと。「またね」じゃなくて、「バイバイ」を連呼してましたが。
いい映画でした。見に行って良かった。
余談①またもや映画館に行くのに眼鏡を忘れるという失態。もう何度目だよ…。
余談②帰宅の電車がタイミング悪く、車両故障で一部区間が不通になり、自宅最寄り駅までたどり着けず。行けるところまで行って徒歩で帰宅していると、電車が動き出し。人生ままなりませんね。