ドラマ日記『#家族募集します』(初回)

SNSの投稿をきっかけに、それぞれに悩みや秘密を抱えるシングルファザー&マザーたちが、一つ屋根の下で子育てしながら共に過ごし、“家族”になっていく姿を描くホームドラマ『#家族募集します』初回。『マルモのおきて』(2011年)を思い出しました。

赤城俊平(重岡大毅さん)は、ある事情で3か月前にシングルファーザーになったばかり。そんな中、幼馴染の小山内蒼介(仲野太賀さん)と偶然再会。ワンオペ育児に悩む俊平の事情を知った蒼介は、SNSで家族を募集し、子育てをシェアして一緒に暮らそうと突飛な提案をする。

今年亡くなった小林亜星さん主演の『寺内貫太郎一家』(1974年)から今に至るまで、ホーム(家族)ドラマは連ドラの定番。とはいえ、近年は血縁関係のない「疑似家族」パターンも多く、伝統的な家族像の揺らぎや、人間関係の多様性の広がりなど、日本社会の変化が背景にあるのでしょう。

本作もそんな「疑似家族」の一種。様々な事情でひとり親の3組の親子が、同じ家で共同生活。その募集がSNSというところが今風。脚本担当したマギーさんの『山田太郎ものがたり』(2007年)的な大家族的要素と、『向かいのバズる家族』(2019年)のSNS的なアイデアを掛け合わせた印象。

演技力は高く評価しているものの、TBS金曜ドラマ枠の主演はやや重荷かと思った重岡さんですが、初回からしっかり泣かせてくれました。また、仲野さんは裏主役として、本作の世界観を説得力あるものにしていますし、役に恵まれないことも多い木村文乃さんも今回はハマリ役。

終盤に登場した岸井ゆきのさんと木村さん、さらにマギーさんも俳優として『99.9 -刑事専門弁護士-』(2018年)で共演。さらに、仲野さんと木村さんは前クール『コントが始まる』で姉弟役を演じていましたから、再共演という観点でも楽しめそうです。

店舗の2階に「疑似家族」が住むという設定で、大ヒットした『マルモのおきて』を思い出しました。あの作品は裏で『JIN』を放送していたので、ほとんど期待されていませんでしたが、最終回視聴率が23.9%と大ヒット、社会現象化しました。本作も事前の期待値は低かったですが、大化けするかも。


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