ドラマ日記『モンスター』(第9話)
“常識”にとらわれず、“感情を排除”して相手と向き合う得体の知れないモンスター弁護士・神波亮子(趣里さん)が、まるでゲームのように法廷闘争に立ち向かう、異色のリーガル・エンターテインメント『モンスター』の第9話。
逮捕された闇バイト組織のキングと父・春明(古田新太さん)の接点が気になる亮子は、ある日、片田舎にある美術館へ向かう。そこには、かつて世間を騒がせた「呪いの絵」が展示されており、作者もタイトルも分からないその絵画の前には、一人の男(近藤芳正さん)が座っていた。
春明が過去に携わった贋作疑惑事件の真相と、最終章につながる「群馬」というキーワードが出てきた回。
世紀の大発見といわれたゴッホの絵を、IT長者の成沢(渡邊圭祐さん)が、画商の岡村(松田陸さん)から140億円で購入。しかし、美術界に影響力を持つ永山教授(工藤俊作さん)が贋作と断言したことから、成沢は岡村を訴えることに。
その弁護を引き受けたのが春明。永山教授の信用を失墜させることに成功し、オセロの様に白が黒に、黒が白になる展開。絵の「価格」や「価値」は誰が決めるのか?という美術界の根深い問題であり、細野不二彦さんの『ギャラリーフェイク』が思い出されました。
結論から言えば、修復師の詩織(佐藤玲さん)に好意を抱いていた岡村が、詩織の亡夫で画家だった重光(大山大さん)の絵と詩織の修復師の技術を世に出そうとして、贋作と知りながら成沢に売り、詩織には100億円が渡っていました。そして「呪いの絵」の前にいた男こそ、岡村でした。
10年ほど前に、「群馬」の知人に春明を紹介したという岡村。さらに、闇バイトの背後にいたキング(丸藤慶治さん)も「群馬」出身と判明。さらにさらに、「群馬」から妊婦の横沢さくら(前田敦子さん)が事務所に相談に来て…。
趣里さんと近藤さんという朝ドラ『ブギウギ』コンビが、すでに懐かしい組み合わせでした。次回第10話、再び亮子と春明の対決になるようですが、まだ最終柿ではないようです。全11話かな。
余談①:13日放送の『A-Studio+』に、『ライオンの隠れ家』に出演中の坂東龍汰さんが登場。シュタイナー教育の学校出身であることは知っていて、具体的なエピソードも出てきましたが、ルドルフ・シュタイナーには触れなったなと。そこが一番面白いのに。
余談②:『それぞれの孤独のグルメ』に伝説の漫画家・江口寿史さん本人が登場。『すすめ!!パイレーツ』『ストップ!! ひばりくん!』などのヒット作と共に、原稿締め切りを守らないことでも知られ、それがドラマのネタに(笑)。