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新宿で見ていたゴッホ「ひまわり」

1987年3月30日、安田火災海上保険(現:損害保険ジャパン)がゴッホの名画「ひまわり」を53億円で落札。これは当時の絵画取引史上の最高額で、バブル時代の日本を象徴する出来事でした。

絵画は、西新宿にある安田火災海上本社ビル内の「東郷青児美術館」で展示されました。学生時代はよく新宿で遊んでいたので、何度か訪れました。42階という高層フロアーからの眺めも最高。現在は敷地内に別棟を新築、移転し、名称も「SOMPO美術館」に。

入場者を集めやすい、ゴッホの大規模展は度々開かれてきましたが、例の感染症の件もありますから、全国各地にあるゴッホ所蔵の美術館を巡ってみるのもいいかも知れません。北は山形美術館から、東京のアーティゾン美術館、南はひろしま美術館まで、十数か所が所蔵。

ゴッホはその数奇な運命が人々の興味を引くのか、何度も映画化されています。『炎の人ゴッホ』(1955年)ではカーク・ダグラス、『夢』(1990年)では映画監督のマーティン・スコセッシ、『永遠の門 ゴッホの見た未来』(2018年)ではウィレム・デフォーがゴッホを演じました。

ゴッホの死の謎に迫る伝記ミステリー。ゴッホはパリで評価されず、南フランスのアルルへ向かう。パリからやって来たゴーギャンに心酔するゴッホだったが、共同生活は長く続かず…。

マンガですと、「このマンガがすごい!」2014年オンナ編1位に輝いた『さよならソルシエ』が、ゴッホとその兄を描いていますが、美術界の裏を描いた傑作『ギャラリーフェイク』も、1巻から ゴッホの「ひまわり」にまつわる話が出てきます。

贋作専門の画廊「ギャラリ-フェイク」のオ-ナ-・藤田玲司。フジタは贋作だけではなく、裏では美術品のブラックマ-ケットに通じ、盗品や美術館の横流し品を取り引きしている…。美術界を舞台に繰り広げられる、芸術をめぐるミステリー!!

最後はドラマ。江戸川乱歩シリーズ『黒真珠の美女』(1985年)。明智小五郎を演じた俳優は多数いますが、自分は天知茂さんが一番印象深く。シリーズ25作目が、ゴッホの名画「星月夜」をめぐる連続殺人事件で、ヒロインは故・岡江久美子さん。

時価10億円といわれるゴッホの「星月夜」を画商の裕子(岡江さん)が手に入れたと発表した。匿名の人物から偽物に違いないので入手経路を調べてほしいと頼まれた明智は、裕子を訪ねたが、彼女は明智の問いにこたえようとしない。



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