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母と娘の距離感…今週の『舞いあがれ!』

東大阪市と長崎県・五島列島を舞台に、空高く飛びたいと夢見る舞(浅田芭路さん→福原遥さん)が、パイロットになるべく努力を重ね、やがて夢の飛行機作りに情熱を燃やす朝ドラ『舞いあがれ!』の第一週「お母ちゃんとわたし」。

謎の発熱で学校を休んでいた舞が、やっと登校した月曜日。幼馴染の貴司(齋藤絢永さん→赤楚衛二さん)の推薦で、久留美(大野さきさん→山下美月さん)と同じ飼育係になった舞。ウサギが逃げ出し、追いかけた舞は発熱してしまい…。脚本・演出・演技とも上々の滑り出し。

例の国のミサイルで、朝の放送が中止になった火曜日(午後には放送)。舞の発熱について、父・浩太(高橋克典さん)は医師から環境を変えた方がいいとアドバイスされ。

会社の仕事と家事で、精神的にも一杯いっぱいな妻・めぐみ(永作博美さん)を見て、すっと会っていない母・祥子(高畑淳子さん)に頼ってみることを浩太が提案。舞も同意したことから、めぐみと二人で五島に行くことに。祥子の家の電話が、年代もの風で印象に残りました。

めぐみと舞が五島にやってきた水曜日。語り担当のさだまさしさんは、「ばらもん凧」設定であることが明らかに。『ごちそうさん』における吉行和子さん(ぬか床)的な。凧を上げていた丘は、映画『くちびるに歌を』と同じ場所かな。

めぐみは大学中退して駆け落ちしていたため、15年帰郷できなかったことが判明。それでも毎年、祥子に近況を伝えていた浩太。こういう細かい設定がグッときますね。五島方言の「およ」と「ばえー」。『あまちゃん』の「じぇじぇじぇ」並に定着するかな。

舞が小学校に初登校した木曜日。担任教師役で永井響さん、船大工役で哀川翔さん、祥子のジャムを売っている女性役で長濱ねるさん、そして医師役で前川清さんがサプライズ出演。

校外学習で海に行く予定を、思い止まらせようとするめぐみと、それに一旦は従おうとする舞。そして、舞の本当の気持ちを聞こうとする祥子。舞の謎の発熱の原因と今後の展開につながるシーンかな。「大丈夫」という浩太。「大丈夫」という人間は、だいたい「大丈夫」ではないですからね。

校外学習で舞が軽いケガをした金曜日。過剰に心配するめぐみを見て、祥子は舞と一度離れて見ることを提案。過去の舞とのやり取りを振り返り、東大阪に帰ることを決めためぐみ。

旅立つめぐみを笑顔で見送る舞。そして祥子に「私と一緒にいてたら、お母ちゃんしんどそうやから」「お母ちゃん、私にここ残って欲しいと思ってる。そやから帰られへん」と本音を涙ながらに吐露した舞。いやあ、初週から泣けるシーンがあるとは。

第一週サブタイトルの「お母ちゃんとわたし」は、祥子とめぐみ&めぐみと舞のダブルミーニングだったのですね。母と娘の距離感が、これから修正され、適度な関係性が構築されていくのでしょう。

文句のない初週。次週以降も楽しみです。


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