見出し画像

キセルと『カムカム』

朝ドラ『カムカムエヴリバディ』で晩年の雪衣役を演じた多岐川裕美さん。『鬼平犯科帳』では長谷川平蔵(二代目中村吉右衛門さん)の妻を演じました。

昔は時代劇で煙管(キセル)で煙草を喫うシーンがよくありましたが、近年は時代劇が減ったこともあり、『鬼平』シリーズは貴重でした。吉右衛門さんは歌舞伎役者だけに、煙管の所作が見事で、惚れ惚れしたものです。

同じく『カムカム』で、茶道師範の一子(市川実日子さん)が何度かお点前を披露していますが、あれは「薄茶」で茶道のごく一部。炭手前や懐石、濃茶は省略されています。「煙草盆」もそのひとつで、実際に吸っている人は見たことがありませんが、あれもキセルですね。

かつて渋谷にJTが運営する「たばこと塩の博物館」というのがありまして、あまり馴染めない街だった渋谷の中ではお気に入り。『カムカム』でも描かれた、戦中に煙草の銘柄が「チェリー」から「櫻」に変わるエピソードは、ここで学びました。

最後は不正乗車としてのキセル。最近、利用する私鉄の最寄り駅がほぼ無人化され、キセル乗車は大丈夫かなと心配したりして。ただでさえ地方の鉄道経営が厳しいのになあ。


この記事が参加している募集

#テレビドラマ感想文

21,291件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?