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辞表と関東大震災…今週の『らんまん』

江戸時代末期、土佐の裕福な商家に生まれた、後の天才植物学者・槙野万太郎(森優理斗さん→小林優仁さん→神木隆之介さん)。東京帝大植物学教室の助手として研究に没頭。理不尽な目に合うも、夢のために情熱を失わず突き進んでいく、朝ドラ『らんまん』の第25週「ムラサキカタバミ」。

国が強行する神社合祀に異を唱えるため、万太郎が東大助手を辞める決意を家族に語った月曜日。子供たちは国の方針に様々な角度から怒りながら、万太郎の辞職に理解を示し。こんな時のために、安定した収入が得られる役所勤めをしていた長男の百喜(松岡広大さん)。

長屋の差配人・りん(安藤玉恵さん)が、事情により去ることとなり。後のことは、万太郎の次女・千歳(遠藤さくらさん)に託しました。子育てへの協力など、長い間りんにお世話になった槙野家。もはや家族同然なりんとの別れを惜しみました。

万太郎が徳永教授(田中哲司さん)に辞表を提出した火曜日。去り際、徳永が大伴家持の歌の上の句「この雪の 消残る時に いざ行かな」を詠むと、万太郎が下の句「山橘の 実の照るも見む」を継ぎ。

助教授時代の徳永と万太郎が、初めて心を通わせた時にも同じようなことがありました。万葉集を愛する徳永の根っこは変わらずといったところ。最後に、万太郎の提出したツチトリモチの図譜を見ながら「よく描けている。こんな植物画、お前だけだ」と声を掛けました。

東大で教授になる佑一郎(中村蒼さん)と再会した万太郎。別々の道ながら、目指す場所は同じだと確認し合い。そして、千歳と虎鉄(濱田龍臣さん)が結婚。長女・園子の死を経験した万太郎と寿恵子にとって、健やかに成長し、嫁ぐ娘の姿には感慨深いものがありました。

再び年月が経ち、関東大震災が発生した水曜日。長屋の建物が崩壊する中、家族の協力もあり、標本や原稿をいくらかは持ち出せた万太郎ですが…。朝ドラでは何度も震災が描かれていますが、今回はかなりの迫力でした。

万太郎らが、待合茶屋「やまもも」のある渋谷へたどり着いた木曜日。渋谷は比較的無事で、数日後には息子の百喜と大喜(木村風太さん)もやってきて無事を喜ぶも、街には自警団を名乗る危うい集団があちこちに発生。

それでも長屋の標本が気になる万太郎に、寿恵子は「私がこの店を始めたのも、2人の夢を叶えるためです。いつか園ちゃんのところに行った時に、万ちゃんの図鑑必ず持っていくんですから」と言って送り出しました。

長屋に着いた万太郎ですが、石版印刷機は壊れ、原稿と標本はほぼ焼けていました。そこに現れた虎鉄の無事を喜び、園子の絵を回収。ふと見ると、ムラサキカタバミの花が。「何があったち、必ず季節は巡る。生きて根を張っちゅう限り、花はまた咲く」と万太郎は前を向きました。

ほとんど燃えてしまった植物図鑑の原稿を、万太郎が再び記憶を頼りに書き始めた金曜日。寿恵子は驚くと共に覚悟を決め、「やまもも」の当初からの常連・相島(森岡龍さん)に店を5万円で買い取ってもらい、東京郊外に広大な土地を購入しました。買った時は120円でしたから、爆上げですね。

そして、最終週のサブタイトルは「スエコザサ」。史実通りの展開ということか…。


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