ドラマ日記&『じゃない方の彼女』(第5話)&『阿佐ヶ谷姉妹』(初回)

家族を愛する男・雅也(濱田岳さん)が、天然魔性系女子大生・怜子(山下美月さん)に振り回される不倫コメディ『じゃない方の彼女』の第5話。雅也もまた「(元彼)じゃない方の男」であったことが判明。

高熱で苦しむ怜子を部屋で見守っていた雅也は、「帰りたくない」と思ってしまった自分に驚く。帰宅して、妻の麗(小西真奈美さん)に様々な嘘を重ねたことに罪悪感を抱えた雅也は、初めて麗と出会った大学時代のことを思い出す。

回想シーン。大学院生の麗が高校時代から付き合っていた彼氏にフラれて、傷心状態から復活する際に側にいたのが雅也で、それがきっかけで付き合い、結婚に至ったことが判明。小西さんの大学院生役に違和感なし。

中島みゆきさんの名曲「最愛」の「二番目に好きな人、三番目に好きな人、その人なりに愛せるでしょう。でも一番に好きだったのは、わたし誰にも言わないけど死ぬまで貴方」にあるように、雅也は麗の一番目の男(元彼)ではない、「じゃない方の男」という想いが奥底にあり。

今の幸せを壊したくないと願いつつ、怜子を突き離せないのは、恐らくは雅也のそうした劣等感によるもの。怜子から「初めて好きだと思う存在」だと言われる肯定感はある種の「麻薬」。雅也からのキス寸前シーンで次週へ。朝ドラ『カムカムエヴリバディ』では、既にやらかしてますけどね。

仕事も生活も共にする“疑似姉妹”の阿佐ヶ谷姉妹の二人(木村多江さん&安藤玉恵さん)が、理想の暮らし方を見つけるまでの、愛あふれるホームドラマ『阿佐ヶ谷姉妹の のほほんふたり暮らし』の初回。『古見さんは、コミュ症です。』に引き続き、ほっこりとしたドラマでした。

阿佐ヶ谷の町で6畳一間に住むエリコ(木村さん)の部屋に、ミホ(安藤さん)が入り浸る。エリコはミホに「一緒に暮らそう?」と誘うが、ミホはなぜか断る。そんな問答が一年続くうち、ある日、ミホが突然エリコの家に引っ越してくる。

若者向けの攻めたドラマが多かったNHK「よるドラ」枠。月曜日への枠移動第一弾「きれいのくに」はかなり先鋭的な作品でしたが、以降『いいね! 光源氏くん2』『古見さんは、コミュ症です。』とマイルドな作品が続き、本作はタイトル通り、のほほんとした印象。

売れる前の二人が、共同生活を送ることになるまでの第一話。木村さんと安藤さんは、口調や仕草、間合いまで見事に阿佐ヶ谷姉妹に寄せてきていますが、二人の演技の質感の違いみたいなものも感じられて、なかなか面白かったです。

最後に「NHKプラス」情報。今年4月期に放送された『今ここにある危機とぼくの好感度について』全5話が配信中です。脚本は朝ドラ『カーネーション』の渡辺あやさんオリジナル。閉塞した現代日本を見事に描いたブラックコメディ。学長(松重豊さん)の言葉で締めます。春ドラマの最高傑作。

「我々は組織として腐敗しきっています。不都合な事実を隠蔽し、虚偽でその場をしのぎ、それを黙認し合う。何より深刻なのは、そんなことを繰り返すうちに、我々はお互いを信じ合うことも、敬い合うこともできなくなっていることです」

蛇足:Netflix『浅草キッド』予告編が解禁されました。ビートたけし役の柳楽優弥さんが素晴しい。『ビートたけしのオールナイトニッポン』で育ったヘビーリスナーたち必見!




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