歌手と女優を両立させた「中山美穂」

歌手と俳優(女優)を兼務する人は結構いますが、両方をトップレベルで両立させている人は稀有。昔なら山口百恵さん、斉藤由貴さんや薬師丸ひろ子さんらも入れていいと思いますが、最も成功したのは中山美穂さん。

1970年3月1日生まれの中山さん。ドラマ『毎度おさわがせします』(1985年)で女優デビューすると共に「C」でアイドル歌手デビュー。当初はツッパリキャラでしたが、CM起用が増えるにつれ、お嬢様キャラに変身。そんな頃の主演作が『ママはアイドル!』(1987年)。

3人の子持ちの中学教師(三田村邦彦さん)と極秘結婚したトップアイドル(中山さん)が、アイドルを続ける中で起こる、様々な騒動を描いたホームコメディー。再婚に反発する長女役に後藤久美子さん。中山さんの作品は、主題歌タイアップが基本で、この作品では「派手!!!」でした。

ちょっと、ここで中山さんの凄さを示す数字。フジテレビの「月9」といえば、かつては視聴率20~30%を連発したドラマ枠でしたが、ここで主演した回数が多い俳優(女優)の1位は木村拓哉さん(10回)、2位が中山さん(7回)です。

中山さんは3部作と呼ばれるドラマ・映画の両方に主演した人でもあります。中山さんが主演した『すてきな片想い』(1990年)と、翌年放送された『東京ラブストーリー』『101回目のプロポーズ』が月9「純愛三部作」。

バブル期に制作された映画で、「ホイチョイ・プロダクション三部作」というのもあって、一世を風靡した『私をスキーに連れてって』 (1987年)、『彼女が水着にきがえたら』 (1989年)、そして中山さんが主演した『波の数だけ抱きしめて』 (1991年)がそれにあたります。

時代は1982年設定。学生最後の思い出に本格的なFM局の設立をめざす若者たちの、ひと夏の夢と恋を描いた青春映画。主人公の真理子(中山さん)が上智大学国文学科という設定に親近感。日焼け具合が時代。恋の相手役に、『東京ラブストーリー』(1991年)でブレイク中だった織田裕二さん。

最後は韓国でも大ヒットした、中山さんの代表作『Love Letter』(1995年)。中山さんはじめ、監督の岩井俊二さん、共演の豊川悦司さんらが数々の映画賞に輝いた傑作。

神戸に住む博子が、婚約者の樹を亡くして2年。三回忌の帰り道、樹の家を訪れた博子は、彼がかつて住んでいた小樽の住所を見つけ出す。博子は忘れられない彼への想いを癒すため、彼が昔住んでいた小樽へ一通の手紙を出す。ところが、あろうはずのない返事が返ってきて…というストーリー。




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