ドラマ日記『9ボーダー』（初回）
19歳の大庭八海（畑芽育さん）、29歳の大庭七苗（川口春奈さん）、39歳の成澤六月（木南晴夏さん）…各年代のラストイヤー“9ボーダー”。3姉妹がモヤり、焦りながら、自分の生きる道を模索するヒューマンラブストーリー『9ボーダー』の初回。
飲食業界で働く29歳の七苗。順調にキャリアアップするも、仕事に打ち込むあまり恋愛からは遠ざかっていた。そんなある日、突然父が失踪。それを機に、夫と４年間別居中の39歳長女・六月と、高校卒業後ダラダラと目標もなく過ごす19歳三女・八海の９ボーダー３姉妹が一つ屋根の下に集結。
本作の脚本家は金子ありささん。「フジテレビヤングシナリオ大賞」出身。大河ドラマ『花燃ゆ』に抜擢されるも、結構バッシングされましたね。TBS『中学聖日記』も一部では批判されましたが、作品としては◎。次の『恋はつづくよどこまでも』が大ヒット。が、以降の3作品は凡打。
本作も最初から設定に不安はありました。少子化の現在、三姉妹が年の差でこれってある？というのもありますし、非正規労働者が激増する現代、バブル時代のトレンディードラマのような生活に、果たして視聴者の共感は得られるのかな。
タイミングも悪かったですね。朝ドラ『虎に翼』が、アップデートされた女性の生き方を示す方向に向かい、それが支持されている時代。恋愛がなければ人生に意味がない、というような描き方がちょっと痛々しい。
松下洸平さん演じる路上ミュージシャンで、今期やたら多い記憶喪失キャラのコウタロウも残念感。松下さんがかつて売れないミュージシャンであったための当て書きでしょうが、「コウタロウ沼」にはならないかな。
本枠ドラマはたいてい最後まで視聴継続していますが、今回は難しいかも。
余談：昔、何かのドラマで見た記憶。苦学生が生活に困り、大切な本を古本屋だったか質屋に持っていきます。本当はたいした値段にはならないものでしたが、人情味のある店の主人が色を付けてくれる。
そんな時代もあったねと、本棚分の愛読書が例のチェーン店で千円台だったことが判明した春。まっ、手に取ってくれた新たな持ち主が、ハマってくれたらそれでよし。
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