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第28回 光礁と戸柱山

こんにちは。阿久根市地域おこし協力隊のチャーリーこと濱田です。
さて、今回は阿久根の七不思議シリーズです。
「光礁」読み方は「ひかるぜ」
その名の如く光を発するという言い伝えがあります。
海中から顔を出す大岩がふたつ並び、その上には鳥居。まさに七不思議という感じ。
この光礁、調べていくと奥深いスポットとして注目されているようです。

鳥居が立っている岩が光礁(引き潮時)

まずは七不思議の内容を紹介します。

言い伝えられていることは、大方つぎのようなものである。
東の方の岩(高瀬という)が光を発すれば、西の方の岩(光礁)に移り、西の岩から発した光は、東の方の岩へと移る。
しかしまた、両方の岩が一度に光を発するときもあり、一部の岩だけが、光を放つときもある。
その光の色は、白銀を溶かしたような色で、星のように輝く時もあるかと思えば、月に輪のかかったようにおぼろのときもあり、光を出す時間は、およそ三十分ぐらいである。
晴れた日、雨の日、月夜の晩など、光を出す天候は限られておらず、日や月の影響ではないというものである。
昔の人は、これこそ、戸柱神社の光明であって、この光を拝むことができた人は、神の御心に叶うもので、必ず幸福になる、と信じていた。

出典:阿久根のむかしばなし

この光を見たという明治の歌人・八田知紀は明治3年に阿久根を訪れた際、光を発する光礁を見て歌に書き残しています。彼は寺社仏閣や名所、旧跡を調査し現在でいうパワースポットに深い造詣をもっていたそうです。

詩が書かれた石碑(戸柱公園)
光礁の案内板(戸柱公園)

この光礁を正面から臨むことができるのが戸柱山です。
戸柱山には戸柱公園、護国神社、温泉神社がありますが、ここにはかつて「戸柱明神」というスサノオノミコトを祀った阿久根最古(平安末期)の神社がありました。その社殿は昭和20年に戦災で消失してしまい、その後に八坂神社が戸柱明神を引き継ぎました。
さてややこしいのは戦後に法律が整備され神社を届出する際に、戸柱山には戸柱明神の社殿は無いにも関わらず「戸柱神社」の名前で登録していたということ。

ちなみに温泉神社は、明治45年(1912年)4月に中村静興が温泉開削に成功したのを記念して祭られた神社で祭神、創建は共に不祥と記録されています。(参照:阿久根の文化財)
社殿には温泉♨️マークも書かれていてこじんまりとした神社です。

温泉神社
温泉マークが書かれています
戸柱神社の神額がそっと置かれていました

鹿児島県立博物館には阿久根市戸柱から採掘された岩石(チャート)が
“鹿児島に分布する最も古い岩石の一つで鹿児島の大地を最初に形作ったもの“
として展示されています。

鹿児島県立博物館の展示コーナーにて撮影

阿久根以外にも薩摩川内、南さつま、奄美大島などにも分布する岩石だそうです。
数億年前の自然を日常で目の当たりにできる環境って都会ではなかなかありません。
阿久根の海沿いを走っているとこうした岩場が多く見られるので地層好きの方は是非遊びにきてください。
さて、光礁の光の正体は神のみぞ知るということで今回はお暇いたします。

☝️光礁の場所はこちら

☝️戸柱公園の地図はこちら

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