どこかの一人にすぎない、今も、これからも、

世間一般に大人と呼ばれる人たちはどうやって生きているのか。
僕はひたすらに考えた。
こんな気持ちは生まれたその瞬間に捨てているのかそれとも生きていく過程でもっと大きな漠然とした気持ちとかで覆い隠してしまったのかそれともそれとも。僕にはわからない。
今この瞬間でも僕の想い人は僕の知らない人と楽しく話してるかもしれないしなにか美味しいものでも食べているかもしれない。
隣の家の人は眠りにつけず布団の中で焦っているかもしれない。
僕の友人も夜更かしをして映画を観ているかもしれない。
あるいはどこか遠くへ車に乗って向かっているかもしれない。
僕にはわからない。
どれ一つとっても僕にとってはどこか別の場所の話でどうしようもないことだ。
ただ眠りにつくだけだ。
朝だろうが昼だろうが夜だろうがそれだけだ。
僕が生きている事実を知らない人たちがいる。
それは誰だって同じかもしれない。
北海道のコンビニから今出てきた人はどんな人か近所の公衆トイレから出てきたあの人は。
くどいな。
ここまできてもまだそんなことを考えてしまう。
きっとこのまま起きているとずっとそんなことを考えてしまうから僕は眠りにつく。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?