Virtual BeingはVTuberを超えるのか -米国Startupが提唱したVirtual Beingsとは何か

こんにちは。VTuberをプロデュースするFictyという会社の共同創業者をやってるninoです!

2018年にTwitter/YouTubeを中心に大きなトレンドとなったVirtual YouTuber(VTuber)というカルチャー。これに対してグリー社で北米の投資事業をされているYasさんが以下のツイートをして話題になっています。

自分は鉄道業界、コンビニ業界や同人マーケットにおける日本独自の進化をみるにガラパゴス自体は悪いことではないと考える派なのでガラパゴスもいいじゃないかと思いつつ・・

きちんと新しい概念であるこの「Virtual Beings」は理解すべきだよなと思い記事を漁ってみたのでこのnoteで簡単にまとめてみます。

Virtual BeingsとVTuberの大きな違い

Virtual Beingsについて調べたみたところ以下のVenture Beatの記事が詳しかったです。

この記事からVTuberと比較したときのVirtual Beingsの大きな違いは以下の2つかなと。

1. Virtual Beingsの魂は"AI"。人間と対話や、動作のやり取りなどに反応できるものを目指す
2. Virtual Beingsが行う仕事はVTuber的なタレント業に限らない

Virtual Beingという言葉を提唱したのはFableという会社。元Oculusメンバー等が設立したスタートアップです。彼らが取り組む"WHISPERS IN THE NIGHT"はVirtual Beingの概念を取り入れたVRコンテンツ。音声/視点認識でキャラの挙動がかわるシンプルなInteractionからAI技術を使い徐々に高度なreactionも可能にしていこうと考えてるみたい。
(*以下のVimeoでの紹介が詳しいです。)

FableのCEOはVirtual Being Conferenceの開催も予定しているとのこと。200を超える起業家や投資家、機械学習エンジニア、ストーリーテラーも含まれるとのことです。

その中にはVirtual InfluencerのLil Miquela(リル・ミケーラ)を運営する会社の名も。アメリカのバーチャルインスタグラマー?的なものとして一番有名な女の子ですね。ファッション雑誌の表紙も多々飾っています。

日本でもVTuberとはいえないLil Miquela的な子たちのことを「Digital Human」として呼称されはじめてました(少しモデル & インスタグラマー的な扱いが強い)。最近話題のimmaちゃんなど、あとはリアルCG JKとして有名なSayaちゃんもこの系譜。

ただDigital Humanよりもより「Human Beings(人類)」という言葉の対義語として捉えられる「Virtual Beings」という言葉のほうがわかりやすいしニュアンスが伝わるーということでTwitterでも話題になっている流れのようです。

Virtual BeingsはVTuberを超えるのか?

この見出しへの回答としては、超える/超えないではなくて、地続きのものかなと思いました。先ほどの違いをVTuber業界にいる者として改めて振り返ってみます。

2.Virtual Beingsが行う仕事はVTuber的なタレント業に限らない

これについては完全に同意できるポイント。バーチャルの人格がタレント業以外の仕事をやるようになると何より市場拡大につながっていくと思います。例えば先生やカリスマ店員とか。VTuberであれVirtual Beingsであれ、バーチャルな存在の仕事をどんどん増やしていくこと、これは元々自分も考えていたことと近いです。
(*下図は以前つくったスライド)

ただ、

1.Virtual Beings の魂はAI

こちらについては懐疑的です。現状のAIの技術状況だと市場が求めるInteractionの実現は厳しいなと感じてます。また、何より人がバーチャルの容姿を手に入れて新しいor強化された自分になるニーズ、そしてAI的なInteractionよりも人を感じられるバーチャルキャラへのニーズの方が(少なくとも現状は)すごく大きいので、市場として成立しやすいのは現状はこちらだと考えています。

もちろんこれから技術進化に応じてAIでも十分に人が喜ぶInteractionが実現されていくと思うので、グラデーションのように変化していくのかなと考えています。

結論

ということでまとめてみると、Virtual Beingsが目指している方向性/活動内容から考えるに、

Virtual BeingsはVTuberを包括する親カテゴリのような概念である。

と考えるのが自然なのかな?と思いました。何度も言うようにどちらが良い/悪いではないなと。実際今回ここまでVirtual BeingsがTwitterで注目された背景には、VTuberが大きな人気を誇ってるからに他ならないので。

最後に。

Virtual Girls Hip Hop Duoとして2018年の6月にデビューし、リリースした音楽やアパレルがしっかりと売れ、2018年末にはm-floさんや中田ヤスタカさんが出演した大阪城ホールでのライブイベント「OTAQUEST」にも出たという、まさにVTuber的な活動だけにとどまらない「KMNZ(ケモノズ)」!

かわいくて面白くてかっこいいのでぜひみなさん推してください~^^


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