体育教育に思う
ジェーン・スー「生活は踊る」2021年7月27日。
「相談は踊る」では、自分の息子が徒競走が遅くて大変。どうしたらいいだろう、みたいなことでした。
スー氏がどんなアドバイスをしたか忘れました。
が、この子の気持ちはもうめっちゃ分かる。
僕はものすごく足が遅かったです。短距離も長距離も。
足が遅い、ということを知るのは、みんなで走って、ゴールに到着するのにみんなより時間がかかるという経験を繰り返すからです。
一人で楽しく走ってる分には、自分が遅いか速いかなんて分からない。
比べるから分かるのです。
算数や国語で、他人と比べることがあるでしょうか?
本質的には、ないんです。○○ちゃんは50点でした~。△△ちゃんは80点でした~。とか、みんなの前で発表しない。
本人は自分の点数が、100点満点で付けられたことで、自分がその教科が得意か不得意かを知ります。これは、他人と比べているのではなく、基準と比べてそう判断しているのです。
ところがどっこい。体育においては、足が速いか遅いかというのは、「他人との比較」において、みんなが見ている前で、白日の下にさらされるわけです。
「こいつは運動ができない」という事実は、みんなが知っている成績ということになるのです。
本来は「成績」って究極の個人情報であるはずなのに。
体育が苦手な子供は、「血祭りに上げられる」わけです。
そのせいで、体育が嫌いになる。
みんなの前で恥をかきたくないもの。音楽も同じです。
算数や国語が嫌いになるのは、なぜでしょう。それは多分、その教科に否定されたような気になるからでしょうね。その辺のことはまた改めて。
「競争」は、学校教育の場ではしない方がいいと思っています。
部活は、ある程度の訓練を経た、プチ専門集団として、コンクールとか競技会とかあってもいいと思います。けれど、やりたくないという人を巻き込んで、わざわざ見せしめ的に、個々の身体能力を競わせて優劣を見せるべきではない。
なんでこんなことを思うかというと、学校の体育が大っ嫌いだったからです。できれば休みたかった。
運動会ではなぜか1500m走をやらされる。周回遅れです。みんながゴールしてるのにまだ走ってる。走ってるってか、ほとんど歩いてる。
それを、先輩が見てる。あ、ちょっと僕、この先輩のことが好きだったのです。何もありませんでしたが。地獄でしょ。
プールに飛び込む。お腹から落ちます。パーン! と。「ええ音!」とか評価してくれたらいいのにね。
球技なんて、ほんまにほんまに最悪ですよ。特に野球ね。
野球って、守備があるでしょ? ライトを一人で守る。サードを一人で請け負う。絶対、エラーするんです。転がってくる球が、どのように動くか予測できない。たかーく上がったフライが、どのような軌跡を描いて落ちてくるか分からない。
恥をかくだけなら100歩譲ってまだいいですよ。これがね、なんか変な連帯責任というか、「足を引っ張るヤツ」みたいなレッテルとなって自分に貼り付けられるんです。だから、野球が一番嫌いでした。嫌い、というか、怖かった。
大人になって、でも身体は動かしたほうがええよな~と思って、スポーツジムに行きました。コナミです。コナミはles millsのプログラムをやっているので、body pumpとかbody combatをします。
スタジオに初めて入ると、「ようこそ!」とインストラクターに言われて、みんなが拍手で迎えてくれる。そして、全然ついていけないし、全然重いバーをもって動けないし、途中でバテて動けなくなるけど、誰も何も言わない。
だから続けられているのだと思います。
身体を動かす、ということが好きな人は多い。子供もそうだと思います。
けれど、体育は嫌い。みんなの前でやりたくない。その気持ちが、運動嫌いにつながっていって、不健康な人が増えて、健康保険に毎月払うお金が増える、のであるならば、体育教育を見直すと、国民が全体的に健康的になっていったりしないかしらん。
体育教育は、大多数の人にとっては、生涯身体を動かす習慣を付けることを目的としていると思います。音楽教育が、生涯音楽を楽しむ、楽しめるために、最低限歌が歌えるとか、ちょっと楽器ができるとか、そういうことを目指すように。
だとするならば、たとえば1時間、ひたすら音楽をかけてそれに合わせて筋トレするとか、それに合わせて踊ってるとか、それだけでいいのではないかと思います。
さ。日曜日。今日はbody combatをするぞ~。
【本日のイラスト】
tomoさんの絵は2度目です。かわいらしいですね。
リングフィットというのはやったことないですが、画面に向かって苦しんでるのは同じです。
おそろしく汗かきで、床がびちょびちょです。
マンションの下の人が住んでいないようで、飛んだりはねたりしても、今のところ文句言われません。ラッキー
【本日の一曲】
こちらも恥ずかしながら(恥の多い人生です)、このバンド、全然知らなかったのです。骨のあるバンドです。
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