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BiSHやBiSを輩出、WACKはいかにして人気事務所になったか。その行動力と商才。

コロナウイルスがの影響で軒並みライブなどの不特定多数が狭い空間に閉じこもるイベントが中止になっています。
事務所や興行主によって対応は延期だったり、中止だったり、無観客配信ライブにしたり、そのまま実施したりと様々です。

そんななか、BiSHやBiSをはじめ水曜日のダウンタウンで話題になった豆柴の大群などのアイドルが複数グループ所属している事務所、WACKは見事な対応だと思ったのでまとめました。

もともとはWACK TOUR 2020 "WACK FUCKiN’PARTY"と題して所属ユニットの出演するライブで全国7都市9公演回る予定だったのが、コロナウイルスの影響にて中止。
そんななかWACKがやったことは無観客ライブの実施+ニコニコでの無料生配信

これだけなら比較的いくつかのグループはやってると思いますが、そのライブ終わりでもう1個発表、翌日に各グループのYouTubeチャンネルで時間をずらした編成で連続配信を実施。

前日に初めてライブを見た人や、一つのグループは知ってたけど他のグループに初めて知った人などがこれによって複数チャンネルを行き来するようになることで、チャンネル登録者は増えるでしょうしもちろん事務所内のファンにお金を払ってくれる機会も増えると思うので、よいプロモーション施策だと思います。

観客が入らなくなった分チケットによる収益が入らなくなるので、純粋にこの期間では費用が出て赤字になるところですが、そのなかでも最大限「消費者のニーズ」と「事業のプラス」が両立するようにアクションを考えられる発想力、それをタイトルの通り商才と今回は表現しますが、プラスそれを実現できる行動力。この2点において他の事務所やグループに比べて頭ひとつ抜けているなと感じました。

それが実現できている要因は2点あると思います。

1.社長の渡辺淳之介氏がワンマンで動かせるスピード

代表のワンマン経営というとネガティブなイメージで使われることもあると思いますが、実行力においてそれ以上スピードが出る体制はありません。あくまでその実行した結果がワンマン判断だと外れる可能性も高くなるというだけの話です。
楽天、ソフトバンク、ZOZOなども三木谷氏、孫氏、前澤氏のワンマン色が極めて強いと思いますが総合的な結果で成長できており、この時代のITサービス経営においては意思決定のスピードが非常に重要であると感じられます。

2.斬新な企画力

たぶん1にも通じるところがあると思うのですがWACKといえばBiSの「全裸PV」から始まり「ウンコにまみれるPV」「ライブ中に水着でダイブ」「歌詞がめちゃくちゃ下ネタ」「渋谷でかくれんぼ」「ゲリラライブ」「ゲリラCD販売」「オーディション24時間配信」「謝罪本配布」「◯◯◯と言える世の中を」「逆参勤交代」「メンバーがファンクラブ入会の電話受付」などなど新しい企画を実行した話題には枚挙にいとまがありません。
その中でもかくれぼに付いて以下にて少し紹介します。

ルールは特定の日、特定の時間、渋谷の特定のエリアに現れるBiSのメンバーに出会って捕まえられたらそのメンバーとその場で1枚2ショットチェキが無料で撮れるというもの。通常(その時期のBiS)は2ショットチェキを撮るのに2千円かかります。それが無料。メンバーは5人いるので最大で5回もチェキを無料で撮ることができます。
まぁファンはそりゃ参加しますよね。

そして参加条件は上記のIDOL Tシャツなど、関連グッズを身に着けていること。
よくアイドルの握手会とかがイベントホールで行われたりしていて、どの程度人が集まったかはわからないことが多いですが、渋谷の街中に揃いのグッズを着たファンたちが大量に徘徊することになると見た目のインパクトも相まって多くの人々の目に触れます。
交通の安全的な意味でグレーな部分も大きいですが、企画のアイデアによって生み出された露出量は大きいです。

今回のYouTubeチャンネルをまたいだ編成でいわば「Web上でのフェス」を実現する仕組み。さらにそれをコロナウイルスの影響で政府からのイベント自粛要請が出たあとすぐに発想して短期間で実行するスピード。
加えて、それをちょっとしたそよ風で終わらせることなく、大きな旋風を起こすまでにする企画力と継続力。

コメント 2020-03-10 011124

ちなみに、前述の無観客ライブ配信。「良かった」が95%以上とかなり高い満足度。

私も同じ業界にいるものとして見習いたいなと日々思いつつも、今回の企画がとても見事だったので文章にさせていただきました。
豆柴の大群についても心打たれるポイントはたくさんあるのですがそれはまたの機会に。

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