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恥ずべき人種差別主義者のリスト

2016年8月2日

キャサリーンの家を出て、目的地に向かう道中、アラバマ州立大学のバーミングハム校を通り過ぎた。

留学先大学の希望を出すとき、第1希望と第2希望だけ書いた。
ミシシッピ州立大学と、このアラバマ州率大学。

アラバマ州もアメリカの黒人差別を語る上で、とても重要な州だ。

志望欄には、ミシシッピ州立大学へ行きたい理由をぎっしり書いた。主には、ジェームズ・メルディスについて。

私の希望が通ったのは、その熱意が審査員たちに伝わったからなのか、ミシシッピ州立大学を他に選んだ学生がいなかっただけなのかは分からない。

私がいたミシシッピ州立大学についてやジェームズ・メルディスについては、また追って記事を書きたいと思う。

アラバマ大学を第二希望にした理由は、ミシシッピ州立大学同様に南部であることと、African American Studiesの充実と、ジョージ・ウォレスの出身校であったことだ。

南軍期の前で笑顔を見せるジョージ・ウォレス

ジョージ・ウォレスは、公民権運動時代にアラバマ知事を4期も務めた人物であり、あの有名な言葉を放った人物である。

I say segregation now, segregation tomorrow, segregation forever.
「今ここで人種隔離を!明日も人種隔離を!永遠に人種隔離を!」
(和訳はWikipediaより)

初めは、黒人に友好的な政策をあげていた人物であったが、白人票を得るために人種隔離政策を唱え、思惑通り、人種統合に反対する白人至上主義者や白人の貧困層やブルーカラー層から熱い指示を受けた悪名高い人物である。

またセルマの大行進にて、彼の名は世界中に広がった。またこれに関してはセルマについての記事で取り上げたい。

彼の出身大学という理由で、アラバマ大学を希望した私なので、彼への関心は強い。

まだまだ勉強中の身なので、深く語れる部分は少ないが、知事になる前は黒人からも支持される人物であったという点と、在職中の徹底的とも言える人種隔離政策と、晩年は家族とも疎遠になり寂しいものだったようだが、なくなる直前に、当時の人種隔離は間違っていたと謝罪の言葉を残している点が興味深い。

なんで南部を留学先に選んだのかという聞かれ飽きた質問に、アメリカ黒人史に興味があります。と私はよく答えていたけど、それだけではない。

差別していた側である白人至上主義者たちにも同じくらいの関心がある。

ジョージア州のアトランタにある公民権人権センターには、人種隔離主義者を取り扱った展示があった。

生前にどれだけ悔い改めて、在任時の隔離政策や、人種差別的な発言について、謝罪をしても後世に残ってしまうのだから、その影響力は恐ろしい。

当時、圧倒的支持を受けていた彼らをSegregationistsとして、こうして否定的かつ軽蔑的に取り扱うほどに、アメリカの民意は大きく変わった。

もちろん、未だに彼らを支持し、南部連合の旗を掲げる人達もいるのだけれど。

現アメリカ大統領の出現によって、不可視化されていた差別主義者たちがまた過激になった。

今年7月末に発表されたアメリカのキニピアック大学による調査で、有識者にトランプ大統領は人種差別主義者であるかという質問をした。

 アンケートの結果によると、トランプ氏は人種差別主義者だと思うかとの質問に有権者の51%が「はい」と回答。「いいえ」と答えたのは45%だった。

人種別でみると白人有権者の46%が「はい」と答えた一方、「いいえ」と回答したのは50%。また黒人有権者の80%が「はい」、11%が「いいえ」と答え、ヒスパニック系の有権者では55%が「はい」、44%が「いいえ」と答えた。
-AFP BB newsより


このアンケート結果から、トランプ大統領の支持層を読み解くことができる。

彼の名前もジョージ・ウォレス同様に、恥ずべき差別主義者のリストに加わっているだろう。

#旅行 #留学 #アメリカ #アメリカ南部 #アラバマ #人種差別

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