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アメリカ南部のおもてなしを受けた日

2016年8月1日
2ヶ月間ホームステイをしたカルフォルニアを出発し、アラバマ州バーミンガムの空港に降り立った。

空港までキャサリーンが迎えに来てくれ、彼女のお宅に向かった。彼女は地元の大学院生で家の空き部屋でAirbnbをしていた。

この南部史跡巡りでの宿泊は全てAirbnbを利用した。理由は簡単で、地元の人との交流とお金の節約のため。

キャサリーンの家には猫が2匹いて、名前はコーヒーとガンジー。由来はそれぞれ最も単純で、コーヒー色の毛並みを持つ猫と、インドの偉人ガンジーに似た顔の猫だから。本当にガンジーによく似ていた。

これがガンジー。奥がコーヒー。

キャサリーンの家では、バスルーム共用で個別のベッドルームがあるタイプのAirbnbだった。
ハウスルールには、2匹の猫を部屋の外に出さないことと猫2匹に尊厳を持って接すること。という項目がある。

お昼過ぎに宿に着くことができたため、家の周りを散策することにした。南部史跡巡りは次の日からにしよう。

バーミングハムは、アラバマ州最大の都市であり、イギリスのバーミンガム市にちなんで、そう名付けられた。

自然が多く長閑なところが、南部が好きな理由の1つだ。天候が日本と似ていて過ごしやすい。

冒頭でも話したが、カルフォルニアで2ヶ月ホームステイをしていた。ロサンゼルス近くに住んでいたが、夏はとても暑く乾燥している。15分も外を歩けないほどの暑さだった。ホストファザーは、そんな気候と安全面を気にして、少しの移動にも車を出してくれた。うろうろ散策するのが好きな私にとって、夏のカルフォルニアは少しつまらない場所だった。

私は散歩の時に地図を見ない。気になるところを好きなだけ歩いて、帰りたくなった時に初めてGoogleマップを開き、帰り道を探す。

住宅街をうろうろ歩いていると、可愛らしいポーチを持つお家を見つけた。足を止めて眺めていると、家の中のご婦人に声をかけられた。

『中、覗いていかない?』

南部の田舎でアジア人を見かけること自体、珍しかったため、声をかけてくれたとのことだった。彼女の息子の話や趣味の話、私がバーミングハムに来た理由などをスイートティーを飲みながら2時間ほど話した。

この南部史跡巡りでは、地元の人と何度か交流をする。その度に私は南部が好きになる。

Southern Hospitalityという言葉があり、
米国南部の温かいおもてなしの意味である。

田舎の祖父母を訪ねたような、実家に帰って来たような、温かいおもてなしを南部で受けることができる。温かいおもてなしは、南部に限った話ではないと思うが、都市部では経験できないことの1つである気がする。

南部人の口からもよくSouthern Hospitalityの言葉を聞くため、自分たちの他人への態度や姿勢をそう呼ばれることは彼らにとっても1つの誇りなのだろう。

そういった温かい長閑な場所ではあるが、アメリカ南部は人種差別が最も厳しいとされる地域でもある。

そのためか、南部で温かい人の優しさに触れるたび、私はいつも人種差別の厳しく、ひどく残虐な歴史についてもまた考えてしまうのだ。

#旅行 #旅行記 #留学 #アメリカ #アメリカ南部 #アラバマ州

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