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渋渋か広尾か 帰国子女受験

帰国子女に人気の渋渋、広尾。
「どちらかに入れたらいいな」と両校受験されるほとんどのお子さん、ご両親がお考えになると思いますが、中身は全く違います。私はたまたま娘2人がそれぞれの中高に通ったので、その経験から知り得たことを書きたいと思います。

広尾のインターコースは、文科省のカリキュラムを外国人の先生から英語で学びます。現国、古文漢文、日本史、保健体育を除く科目、例えば、数学や化学や生物を日本のカリキュラムに則り英語で学ぶのです。中学の間にほぼ文科省のカリキュラムを終わらせ、高校に入ると、海外受験または、国内AO受験の準備になり、毎日英語による授業が中心になります。学内でTOEFL、SAT対策、APの授業、ボランティアなど手取り足取り海外大受験のサポートをしてくれます。

渋渋はというと、インターコースは有りません。英検1級で帰国枠で入学した生徒は、各クラスに均等に振り分けられて、一般生と同じ授業を受け、同じテストを受けます。英語は「帰国英語」のクラスで外国人の先生から英語と世界史を学びますが、それ以外には英語の授業はありません。そしてこの授業が、「部活以上」と言われるほど、膨大な量の課題で学生生活を支配します。これをやってるだけで、アメリカのトップスクール合格を可能にできるレベルの英語力や論文を書く力が養われるのです。

渋渋で海外大を目指すということは、東大志望の学生が受ける授業、課題、試験をこなしつつ、「帰国英語」、TOEFL、SAT、部活、学園祭、学外のコンクールや大会などの数々の課外活動や受賞歴などの成果を上げなければならないので、同時に二つの学校に通っているくらいの忙しさとなります。

広尾学園のAG(帰国・英語受験)の生徒の多くは中学受験時に英検1級を取得して入学してきます。帰国子女で、部活などで本科生と触れ合う機会や、日本の本や文化に興味が無い学生は、6年間一日中英語で過ごすので、日本語力の伸びはあまり期待できません。しかし、今どきの欧米のハイスクールで取り上げられているトピックや科目を学ぶので、日本にいながら世界標準の情報や感覚が身に付きます。

SG(英語の入学試験が無いインターコース)の生徒も、高校進学までにほぼ全員が英検1級を取得します。SGの生徒は、中学3年間はAGの生徒とは違い、数学や生物や化学などは日本語で学びます。英語もAGとは別の授業になります。実力があればAGの英語クラスで学べます。高校に進学するときにインターコースは一つになるので、SGから本科に進む生徒も多いようです(年によって差がある)。

「渋渋に帰国で入学して、一般生徒とかけ離れた日本語力、数学力だった学生も、高校進学までに追いつくので、何も心配しないでください」と再三学校からは言われ続けますが、本当にその通りになります。その結果、完璧なバイリンガルが養成され、帰国枠で入学した学生が、学年の成績上位を占め、国立や医学部に進学することも珍しくありません。

日本の大学を目指し、広尾学園では中学から高校に上がるときに、本科へ移ることを選ぶ生徒、渋渋では帰国英語をやめて、一般の学生が受けるアドバンストの英語クラスに移ることを選ぶ生徒もいます。

また時間のある時に詳しく書きます。



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