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あなたのその脂肪、タダのアブラのかたまりではありません。

1.なぜダイエットはカンタンではないのでしょう


皮下脂肪ならいいのですが、悪さを
するのは「内臓脂肪」です。

女性は閉経までは女性ホルモンに
守られて、内臓脂肪が付きにくい
のです。

しかし、更年期あたりから皮下脂肪は
内臓脂肪にシフトしていきます。

しかも、

脂肪はタダの「アブラ」ではなく、
レッキとした「働く細胞」なのです。
過剰になっても足りなくても、それ相当の影響を全身に及ぼすのです。

ただのアブラなら燃やせばいいので、
痩せるのは難しくないはずです。

リバウンドに翻弄される意味も
わからなくなります。

2.脂肪細胞は体内最大の「内分泌臓器」


湧き上がる悩ましい食欲は何処から
くるのか?

肥満は、脂肪細胞に脂肪が蓄積されて
いる状態。

脂肪細胞という箱の中に脂肪が
ギューギュー詰めになっているのです。

でもこの脂肪細胞は、単なる脂肪の
貯蔵庫ではないのです。

実は体内最大の重要な「内分泌臓器」
なのです。

脂肪細胞は総称「アディポサイトカイン」と呼ばれるいろいろな生理活性物質を分泌しているのです。

「アディポサイトカイン」にも腸内細菌やコレステロールと同じように善玉と
悪玉があります。

脂肪細胞はギューギュー詰めの酸欠状態になると、悪玉アディポサイトカインを分泌するのです。

悪玉は炎症を引き起こし、血圧、
中性脂肪、コレステロール値の上昇を
招き、脳にも作用し認知症の発症リスクも上がります。

肥満は「脂肪細胞のホルモン分泌異常」
が生じているのです。

3.「食欲を抑えること」が難しいのは意志の問題ではなく、そこが「頑張りドコロ」ではないワケ

「痩せることは生存の危機」
というプログラムが、大昔から私たちの
遺伝子には組み込まれているのです。

そもそも飽食の時代は人類史上でも、ここ100年くらいじゃないでしょうか。元々人類は飢えながら進化してきたの
です。

生き延びるために食欲が増大し、食べるように食べるように仕向けるホルモンが
「グレリン」なのです。

グレリンの刺激を抑えるのが
「炭水化物」です。 

人類が生き延びるためのホルモン
「グレリン」が飽食の時代にあっては
肥満を促し健康を害する方向に寄与することになっているのは皮肉です。

4.「脂肪細胞」から分泌される「レプチン」というホルモン

お腹いっぱいなのにまだ食べたい!

それは満腹をコントロールする
「レプチン」というホルモンの働きが不調の可能性大です。

肥満の方は脂肪細胞がギューギューで
「レプチン過剰」になっているわりに、全く働いていないのです。

そのためレプチンが脳の満腹中枢にうまく届かないため、満腹を感じることができずいつまでも食べ続けることになるのです。

5.脂肪細胞が分泌する「レプチン過剰」が危ないワケ

それはレプチン自身が炎症を引き起こす物質「炎症性サイトカイン」でもある
からです。

全身の脂肪細胞が「レプチン過剰分泌」という悪さをすることになるのです。

特に高糖質食、高脂肪食は脂肪細胞に炎症を引き起こすと同時にレプチンが過剰分泌されます。

過剰分泌によって、満腹中枢を刺激するという働きが効かなくなり全身の炎症を招き、肥満を端緒とする生活習慣病発症のリスクが上がります。

生活習慣病は確実に生活の質、人生の質を落とします。

またレプチンには免疫を調節する機能も
あり、機能低下は「免疫力の低下」の
要因にもなるのです。

6.そして肥満にもっとも関連するホルモン、その名は「インスリン」

インスリンは膵臓から分泌される
ホルモンで、血糖値を下げるホルモンと考えられています。

血液中の糖はインスリンの働きで、細胞の中に取り込まれるため血糖値が下がります。

しかし、

細胞に必要な量を超えた糖は、
グリコーゲンというカタチで肝臓、筋肉に蓄えられます。

その限界量も超えた糖は、肝臓で中性脂肪に作り替えられます。

つまり、

インスリンは肝臓での脂肪の合成を促進して「脂肪細胞に脂肪をギューギュー詰めにする」働きもあるということになるのです。

インスリンが糖を脂肪に替えて溜め込む間は、脂肪燃焼はありませんから痩せられません。

そのため、ダイエットはインスリンの分泌をいかにコントロールをするかということが超重要になるのです。

先に紹介したグレリン、レプチンに、インスリン。

ホルモンのシステムは影響し合いながら機能しています。ひとつのホルモンの
乱れが単独で起きることは考えにくい
のです。

現代においては、ホルモン環境を乱す
原因はやはり「食事」にあります。

食事によって乱されたホルモン環境は
カンタンに分泌異常を引き起こし、
健康の要を担う「腸内細菌」にも多大な影響を与えます。

ダイエットが想像以上にカンタンではないのは、ホルモンの分泌異常にアプローチする必要があるからです。

決して何であれ、何か特定の食品を摂取して痩せられるということは、まぁありません。

こんなにややこしいのですから、
リバウンドを繰り返すのも、食欲が
止まらないのもあなたのせいではないのです。

ひとつの希望は、ホルモン環境を改善し、自分自身が主導権を握る有効な方法はある!ということでしょう。


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