見出し画像

0615

傘を探している。

なるべく丈夫で、軽くて、気分が明るくなる色柄がいい。淡いライラックやペールブルー、薄い薄い苅安色。それがいまの気分。

こういう傘が欲しいというイメージが、すでにわたしの中にはある。あるけれども、そのイメージ通りのものでなくてもいい。自分の持っているイメージを超えるもの、それをまったく覆すものであってもいい。わたしが「これがいい」と思うものなら、本当はなんだっていい。

探しているのは傘だけれど、本当のところ傘じゃなく、自分の手ごたえを探している。見つけたという手ごたえ、感覚。「これだ」とわかったときの、自分を全面的に信頼するかんじ。

傘を探している。すぐに見つからなくてもかまわない。傘を探しながら、わたしはわたしと出会い続ける。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?