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文彩、という言葉を知った。「ぶんさい」とも「あや」とも読む。文字通り、文の彩りのことだと思う。装飾とか、修飾とか、比喩、対比、反復、もろもろを総称したもの。すごくきれいな言葉だと思った。
「どのように」言われているのかを通して、「何が」言われているのかを探り当てていく、つまり文彩を手がかりにして何が語られているのかを見つめていく。山田悠介『反復のレトリック』がおもしろい。おもしろくて高揚してうれしかった。知的な高揚感はわたしをこうふくにする。論文みたいな文章を読むのはきらいじゃない。書いている人の思考の足跡をたどるのが楽しい。本題に入る前の、前提や定義の確認とかが長々と語られるのもぐっとくる。そこを丁寧にやっておかないと先に進めない、だから書く、その地道さが胸に迫るのだ。その、本題にはまだ遠い、地道な作業の部分を読んだ。そこだけでも十分にすごかった。言葉というものを考え、探求している人のすごみ、高み、深み。到底追いつかないだろうけど、読むことでちょっとでも触れられたらいいな。
今日の空はおだやかでやさしかった。
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