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村田沙耶香『丸の内魔法少女ミラクリーナ』から表題作「丸の内魔法少女ミラクリーナ」。誠実に狂う、というようなことが書いてあって、それは村田沙耶香自身のことだと思った。自分のクレイジーさに正直に、誠実であること。

丘のふもとの桜を愛でて、ゆっくり階段と坂を上った。頂上に着くと、雲ひとつない真っ青な空が広がっていた。栗の木が芽吹いていて、その真新しい葉に触れさせてもらった。生まれたての葉っぱの手触りは何とも言えない、やわやわとして、やさしく、みずみずしい。ほとんど恍惚となる。新芽を触ることがこの上なく好きだ。それはきっとわたしのクレイジーさのひとつ。

クレイジーであることって、他の誰かにとっては、思いもよらないよろこびや楽しみを生きることなんじゃないか。それって、他の誰かとは違う、他ならぬわたしという自分を生きているということ。

題名に「魔法」とある本を見ると、つい手が伸びてしまうのも、わたしのクレイジーな習性だ。初の村田沙耶香作品。表紙の絵もかわいらしかった。

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