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パンケーキを無心に食べる。ナイフとフォークを動かして、食べやすい大きさにして口に運ぶ。それは考えることなく淀みなく行われる。クリームをどれくらい添えるか、いちごとブルーベリーはどのタイミングで食べるか、ソイラテをいつ口にするか。そういうことを言葉じゃないところで思いながら食べる。言葉を通さないで、おいしい、うれしいと思った。

パンケーキが出てくるのを待つ間、蒼月海里『幻想古書店で珈琲を【番外編】賢者からの贈り物』。蒼月海里の書く世界はいつもやさしい。食べたあとも引き続き読んだ。「幕間」と題された章。読んでいるときのわたしの口角は上がりっぱなしだったと思う。物語を支える書き手のまなざしがあたたかく、心地よい。この人の書く世界がやっぱり好きだと思った。

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