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寒い冬の夜に心地よく眠る。(#051)

寒い。強風が体感温度をさらに1~2度下げてる。

私は1993年の8月にシドニーに初めて来た。ゴミ回収用に通りに出された家庭のゴミ箱がバタバタと全部倒れているのを目にして、シドニーってこんなに風が強いところなんだと驚いた。そして、それは8月特有の強風なんだと言うことがのちにわかる。あと二日で8月だが、もうすでに強風が吹き荒れている。寒い。

寒い日に、私が寝付くのに助けてくれるものが二つある。
一つは、レンジで3分チンしたら一晩中温かい・ペット用の加熱式ゆたんぽ。むかし子犬をブリーダーから引き取った時にペットショップで買った。これまで兄弟たちと固まって眠っていたので、新しい環境に来たら、この温かい湯たんぽがあると落ち着くだろうと手に入れたのだ。その役目は十分果たした。子犬も育って、湯たんぽは必要なくなり、私が使うようになったのだ。これは本当に毎年助かっている。お腹や背中に当てて眠ると本当に寝つきがいい。
それで、お母ちゃんにも一つ送ってあげたら、電子レンジの分数間違えて爆発させた。危ない。今度は気をつけるからまた送って欲しいと言われて、再度送った。それくらい私もお母ちゃんも寒い冬に重宝したのだ。

もう一つはスモモの香りがするリップクリーム。
スモモの香りは私にとても温かい気持ちにさせてくれる。そういう思い出があるのだ。中学校の思い出。
中学校は高校と違って、家庭環境も成績も性格も全然違う友達ができる。私はそれがとても楽しかった。うちらの頃には絵に描いたような・つっぱりとか不良とか言われる子達たちがいた。その子たちと普通の子たちと放課後教室に残っていろいろ話したり楽しく過ごした。
その時によくしたのが、スモモのアメ1個をみんなで分けたことだった。500円硬貨ぐらいのかなり大きなスモモ味のアメ玉(たぶん1個十円か二十円)を教室のアルミサッシのスライド式窓のレールに置いて、勢いよくがシャンと窓を閉めて、アメをこなごなに割るのだ。セメントの地面に叩きつけることもあった。包み紙を開けるとかなり砕けてカケラがたくさんできる。それを5人くらいで、みんなでちょっとずつつまんで食べるのだ。その全ての工程が楽しかった。みんなできゃーと言いながら、窓をバンバン閉じてアメ玉を割る。たった一個のアメ玉をみんなで分ける。その全てが、心を温かくした。そして、寒い冬に、スモモの香りのするリップクリームを塗ると、あの時みんなで過ごした温かい思い出と気持ちが蘇る。こういうなんてことない思い出が辛い時や寒い夜を乗り越えさせてくれるのだ。あの時一緒にいた彼女たちもあの光景を思い出してるかな〜。

あなたを助けてくれるどんな思い出があなたにはあるんだろう。

あなたの想像力がわたしの武器。今日も読んでくれてありがとう。

えんぴつ画・MUJI B5 ノートブック




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