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病気の一枚 12

ホルモン療法開始。

2019年夏、右胸のしこりに激痛がはしり、検査の結果、乳がん、悪性腫瘍と診断されて、11月に右胸全摘とガンが転移していた右脇下のリンパ節切除手術を受けた。そして12月から抗がん剤治療が始まり、翌年5月にやっと抗がん剤治療が終わり、経過も順調なので、7月のポート抜去手術後、いよいよホルモン療法の始まりである。

私に処方されたホルモン剤は、「タモキシフェン」という抗エストロゲン剤。私のガンは女性ホルモン、エストロゲンを餌に増殖していくタイプのガンなので、その増殖を阻止するための薬である。この薬をこれからまず、5年間毎日、1日1錠飲んでいく。そして、5年後はまた別の薬を飲むことになっている。なので、今から、タモキシフェン5年間+別の薬5年間=10年間、ホルモン剤を飲まなければならない。

もちろん副作用もあるよ、との説明を事前に受けていた。ほてりや多汗などの更年期障害のような症状が主らしいが、このホルモン剤を飲み始めて1ヶ月。ほてりの症状が出ていて、顔や身体がぽかぽかして、もしかして熱があるのか??と思って熱を計っても平熱・・・まぎらわしい。

それと・・・。

副作用の1つに子宮筋腫や子宮内膜症もあるらしく、薬剤師さんから婦人科受診を強く勧められた。婦人科か・・・数十年前に一度受診したっきりだったなあ。歳も歳だし、せっかくの機会だから、受けてみようかな。

それにしても、婦人科ってあんまりいいイメージはなかった。まあ、きっと大昔に受診した婦人科の暗い雰囲気と年配の先生の愛想のなさのせい。その2点と仕事の忙しさを理由にして、ずっと受診していなかった。

が、今回の乳がんで「検診は大事」というのを思いしらされた。そりゃあ、いやというほど、検診の大事さが身にしみた。よし。婦人科もちゃんと受診しよう!

それにしても・・・。

婦人科受診なんて数十年ぶりだったので、めっちゃ緊張していたが、呼ばれて診察室に入っていくと、物腰の柔らかそうな男性の先生がいた。乳腺と同じ病院で受診することにしたので、電子カルテで今までの乳がんの経過を見ながら、「今からホルモン療法ですね。これから一緒にがんばっていきましょうね」と爽やかに言われて、それまでの婦人科の暗いイメージが一変したのは言うまでもない。

でも、暗かろうが、爽やかだろうが、することは一緒で、子宮のエコー、触診、細胞診・・・ん?細胞診ってことは、また細胞を取るんですか??え~!!と思う間もなく、細胞を容赦なく取られた・・・やっぱり細胞診は痛い・・・。

結果発表。

7月も終わる頃、乳がんのホルモン療法の経過の検査と、婦人科の細胞診の結果をまとめて聞きにやってきた。検査の結果を聞くのはいつでも緊張する。慣れない。今日はその前に採血があった。採血は、慣れた・・・かな?いや、やっぱり針を刺されると苦しい顔をするので、看護師さんが心配そうに顔を覗き込む。慣れないねえ・・・。

まずは婦人科の結果から。細胞診、細胞もちゃんと取れたし、検査結果も問題なし。次は半年後ね。とまた先生に爽やかに言われて、爽やかに「半年後ですね!」と答えたが、長いな、半年後って。

そして、乳がんのホルモン療法の血液検査の結果。・・・問題なし!よかった~!次は3か月後ね。といつもの先生にさらっと言われた。そしてリンパ浮腫の腕をチェックしてもらって、この日の診察はおしまい。

撮った!

とにかく、どちらの検査結果も問題なかったので、ものすごくほっとした。これで、ひとまず病院通いの日々はひと段落。やっと仕事復帰できる。あ、いろいろ連絡をしなきゃ。とりあえず病院を出て途中のコンビニの駐車場で治療がひと段落ついたことを身内に報告した。

しかしまあ、ほっとしすぎた勢いで、家に帰る前にケーキ屋さんに寄ってケーキを衝動買い。ほっとしすぎやろ~。人って、何かこう気持ちを切り替えたい時、節目の時って、甘いモノ欲するよなあ・・・。そう思いながら美味しいブルーベリータルトをゲットした。

家に帰って、一人タルトを食べながら、解放感に浸っていた。ああ、なんか幸せ・・・。いや、幸せに浸っている場合ではない。会社に連絡しなきゃ。治療に専念していいよと言われ、長いこと休んでしまったからな・・・。まずは社長と面談かな。

お盆が明けたら、ぼちぼち仕事復帰です。

追伸:病気の一枚は連載モノです。よかったら11もご覧ください。


記事を書くための栄養源にします(^^;)